【アカギ】神出鬼没の。

一人 ページ15

雀荘を回ったあの日から１週間経った。

サヤもひろくんも諦めかけているのか、
アカギさんの話題も減ってしまった。


結局カバンの中にはいつまで経っても返せないシャツが眠っている。

「アカギさん……」

彼のシャツに呟く。



決めた。

今日はあの商店街に行こう。

会えるような気がするんだ。

１人、危ないかもしれないけれど

…構わない。



そんな気配を察知したのか、

Aの後ろではサヤとひろが顔を見合わせていた。




放課後、私はすぐに学校を出て、あの商店街に向かった。

相変わらず人はまばらで、不良のお兄さんというより、常連のおじさんたちの方が多いんじゃないかと、くだらない事を考えながら雀荘を巡る。


なんとなく直感、アカギさんは今日はここには来ない。
そんな自分の勘に身を任せ、商店街を離れる。



「……どこに行くつもりなんでしょう」

「…さあ…」

そしてAを尾行する二人…



日が暮れてきた頃、私はネオン街にいた。

独特の雰囲気に飲まれそうになりながら、人の濁流に逆らって歩く。

「……！もしかして…」

見覚えのある後ろ姿を追いかける。

その後ろにはひろとサヤ。


「カイジさん！？」

私がそう呼ぶと、彼はびくりと肩を震わせ、振り返った。

「え…Aさん？」

きょとんとして私を見つめる。
「やっぱりカイジさん…！どうしてこんな所に…？」

「ちょ、ちょっとそこの賭場でね…じゃなくて！

Aさんこそなんでこんな所に…」

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