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翌日の昼休み。
麻美とお昼ご飯を食べようとしたら、山口先輩が何人かの女子の先輩を引き連れて、私のところまでやってきた。
「ちょっと。顔貸してくれる?」
おっと。
これは。
少女漫画である呼び出しってやつでは。
「少女漫画みたいな恋には憧れてるけど、これは別にいらない……」
「さっさと来なさいよ」
山口先輩たちに連れて行かれたのは裏庭だった。
「あんた昨日のあれ、なんなの?」
「えっと…志望動機聞かれたので答えただけです」
「ふざけてるよね?玉森くんのストーカー?」
「いえ、そんなつもりは」
「あのね?知らないだろうから教えてあげるけど。
玉森くんには他校にめちゃめちゃかわいい彼女いるから。
いきなり告白なんてされても迷惑なだけなの」
私は黙ったまま山口先輩を見た。
「わかった?わかったらさっさとあきらめて」
「……でも玉森先輩にそう言われたわけではないので」
「は?」
「玉森先輩に『彼女がいるから迷惑だしあきらめて』
って言われたらあきらめます」
「何生意気なこと言ってんの?
だいたいあんた野球部のマネージャーもするんでしょ?昨日も野球部の男の子と一緒にイチャイチャしてたとか聞いたけど。どんだけ男好きなの?」
さすがに腹が立った。
「一緒にはいたけどイチャイチャなんかしてない。
私のことは何言ってもかまわないけど、太輔のこと変な風に言わないでよ!」
「うるさい!」
山口先輩が手を振り上げたので、叩かれると思って目をつむった。
「はい、そこまで」
目を開くと、山口先輩の腕を掴んでる玉森先輩がいた。
「暴力は良くない」
「だって玉森くん」
「俺のこと心配してくれたんだよね?山口」
「え…あ…そうだよ?」
いきなりしおらしくなる山口先輩。
「Aさん?」
先輩の声は優しいけどよく通るいい声だった。
「は、はい」
「教室行ったらいなかったから、探した。
昨日の面接の結果だけど。
君は生徒会役員にはなれなかったよ、って言うのをお知らせしにきた」
「……わかりました」
ふふん、て鼻で笑って山口先輩が言った。
「当然でしょ」
「あ、山口。北山先輩が生徒会室で呼んでたんだった」
「はーい、行こ」
ぞろぞろ取り巻きを引き連れて山口先輩が去って行く。
「あ、じゃあ。私もこれで失礼しま……」
くるり、と踵を返したら、玉森先輩が急に腕をつかんだ。
「待って」
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ニイナ(プロフ) - keiさん» keiちゃん!こちらも読んでくれてる!これボス恋の影響もろに受けてるから潤之助くん(ボス恋の役名)風味が強いんだよー(艸д゚*)でも嬉しい♪ありがとー! (2021年7月13日 22時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - やばい!玉森先輩がかっこよすぎる(〃▽〃) (2021年7月13日 20時) (レス) id: ab1b9c5f30 (このIDを非表示/違反報告)
nina(プロフ) - anier017さん» わー、最高だなんてそんな風に言っていただけて私の方こそ最高に嬉しいです!玉森先輩彼氏になるとどんな感じなんでしょうね(∩∀`*)またお付き合いいただけますように♪あちらのお話もまたお暇な時にぜひ♪ (2021年2月20日 16時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
anier017(プロフ) - 最高でしたー!!本当に毎日更新されるのがほんとに楽しみで、夢主ちゃんと玉森先輩がついに付き合って、とっても嬉しい気持ちになりました!続きも楽しみにしてます\(^o^)/別のお話の方も楽しみにしてますね♪ (2021年2月20日 10時) (レス) id: a030ce827e (このIDを非表示/違反報告)
nina(プロフ) - anier017さん» anier017さん、はじめまして♪コメントいただけると思ってなくて通知二度見しちゃいました。一緒に楽しんでいただけてすごく嬉しいです。素敵なコメントありがとうございます(*´∀`) (2021年2月15日 15時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nina | 作成日時:2021年1月31日 20時