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☆英語の先生 ページ3


〜英語の先生と秘密の放課後〜


「what have you been doing?A!」

『っ!?...先生』


親の都合で転校した学校の英語教師は、とても綺麗な顔立ちをしていた。それに加えて高身長エリートお金持ちという高スペックだ。

そんな先生を女子生徒は見逃すはずがない。毎日授業が終わった後はお祭り事のように先生の周りには人だかりができるのだ。


『先生こそ、なんでこんなところにいるの?』


先ほど英語の授業が終わり、いつものように先生は生徒に囲まれていたはずだ。こんな誰も来ない静かな図書室になぜいるのか。


「君、僕の授業終わった後いつもどこかへ行くカラ...気になったんですヨ」
『...それで、私についてきたの?』

「yes!」


あの人数に囲まれていながら、よく一番隅に座っている冴えない私を見ているなと驚いた。
その上、取り巻きの追跡をかわして私の後を追ってくるなんて。


「...本を、読んでいるのですカ?」

彼が私の隣に座り、本を覗き込んできた。
私が読んでいたのは単なる旅行雑誌。

世界の有名な観光スポットを特集している本。
美しい絶景や建物を見て、いつか行きたいと思いを馳せるのだ。


「付箋がありますネ。ここは...、”青の洞窟”イタリアですネ!」

『...綺麗だよね、ここ行きたい』


薄暗い洞窟の中で神秘的に青く輝く海。
私が一番心惹かれた、美しいスポット。


『...イタリア、遠いなぁ』


そんな遠い所へ行けるお金も時間も自由もない。
私が自立したとしても、この光景を見ることはないだろう。


「...一緒に行きませんカ」

『...え?』

先生はなんてことないように、それを口にした。
驚きのあまり思考が停止する。


「この青い洞窟に、Aを連れて行きたいデス」




先生を真っ直ぐ見つめる。
白い頬はいつもより紅潮していて、はにかんだような笑顔を私に向けていた。

『...っ』


鼓動が激しく動き出す。
ずっと遠目から見ていた先生が、今は目の前にいる。

気づかないようにしていただけで、本当はずっと最初から、先生を目で追っていたんだ。



「...A、もう僕を...避けないデ」



先生の大きな掌が私の手に重なった。
指が絡められ、手の甲に優しく口付けられる。


窓が夕日の光を反射しキラキラ輝く。
誰もいない静かな図書室に、二人きり。


「...僕の全ては、君のモノ」

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ぴいか(プロフ) - 面白かったし、かっこよかったです! 私的には数字の先生が好きです。 ただ…w英語の先生の片言で笑ってしまいましたw 片言なしゃべり方って、無意識にボビー・オロゴンの声で再生されちゃうんですよねw(謎) (2018年10月16日 6時) (携帯から) (レス) id: 72efd30a70 (このIDを非表示/違反報告)
優月(プロフ) - 数学と社会の先生好き〜! (2018年7月22日 10時) (レス) id: 52da78a4dd (このIDを非表示/違反報告)
のらたま - 全部読みました!!!とても面白かったです。特に私は、国語・英語の先生と執事がお気に入りです。ちょっぴり、禁断の恋もしてみたい…なんっちゃって♪(/▽\)♪ (2018年4月5日 15時) (携帯から) (レス) id: 7c5ae89b7e (このIDを非表示/違反報告)
幸村時雨(プロフ) - 杏*あんず*さん» アドバイス有難うございました!早速訂正させていただきました、ご指摘いただき誠にありがとうございました! (2018年4月3日 15時) (レス) id: 7a07976017 (このIDを非表示/違反報告)
冷血悪魔@ワッフル王国民(こたぬき)(プロフ) - 英語の先生と理科の先生気に入りました!(英語の先生は検定でも当たってまあその時からなんですけど・・・)あと執事さんも(別の作品のときから)好きなんですよねー・・・ (2018年4月3日 11時) (レス) id: d4f6213947 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幸村時雨 x他1人 | 作成日時:2018年3月18日 0時

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