act.6 ページ7
カタカタと家の中で響く、キーボードの音。
脚本を一人で直しているのだが、私は中々集中出来ずにいた。
あの後、舘様となんとか話せた。
テレビやYouTubeでもわかる通り、真面目で優しい人だ。
なんでも卒なくこなす、完璧人間に見えるけども、その裏でしっかり努力している人。
それなのに結構天然なところもあったりと、ギャップの激しさもある。
話せば話すほど、"ファンとして"さらに好きになってしまいそうな中でまた舘様が突拍子もないことを言い出したのだ。
「Aさんのこと、もっと知りたいですし......。
今回のお詫びも含めて、オフの日にどこか食べに行きませんか」
突然、何が起きたのかわからなかった。
何が起きたか理解する前に、気がつけば連絡先を交換することになっていた。
社交辞令だろうと言い聞かせ、深く考えないようにすれば現実に引き戻すメッセージが来る。
しかも舘様らしい丁寧な文面に、日付けまでこちらに合わせようとしてくれる。
深い意味はなく、恐らく仕事に真面目な彼だから。
初めての主演ドラマということで、一応監督ではある私に聞きたいこともあるんだろう......。
『さ、流石にあれだよね？
二人きりとかじゃなくて、
他の人も誘って......だよね？』
一人でいるとこの事ばかり考えてしまって、集中が出来ない。
さっきから落ち着かなくて、部屋中を右往左往している。
考えてもキリはないのだが、好きなアイドルと食事に行くという本当に夢のようなシチュエーションが集中力を散漫なものにしていく。
ファンとしてありがたくも仲良くさせていただいてる康二に聞いてみるか......？
いや、それはファンとして不味いだろう。
まるで私が舘様を異性として意識しているかのようだ。
あくまで自分はファンであり、脚本家。
所謂、裏方なのだ。
表側で輝く彼らとは一線を引くべき人間。
自分の中で決めたルールを破るわけには......。
頭を抱えて悩んでいれば、突然マナーモードの携帯が震え出してビクッとしてしまう。
ドキドキしながら私は携帯を手に取った。
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Beniimo0208(プロフ) - >みなみ様 コメント及びご指摘ありがとうございます。こちらの確認不足でしたので、修正させて頂きました。今後も見守っていただきますと嬉しく思います。 (2021年1月17日 15時) (
レス) id: 7085968988 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが、気になります。27話が、抜けてます。 (2021年1月17日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅芋里芋薩摩芋 | 作成日時：2021年1月13日 5時
