act.33 ページ34
「あともうひとついいですか？」
『もうひとつ？』
「はい」
もうひとつ、というのは質問のことだろうか。
それともお願いのことだろうか。
よくわからないけれど、舘様だし。
変なことは要求しないだろうからいいかと
小さく頷けば、舘様は笑ってとんでもないことを言い出した。
「僕も、Aさんと呼んでいいですか？」
『え!?』
今、ガッツリ下の名前で呼んだような!?
確かに、この前の食事の時も分かれる前に名前を呼ばれた気がしてはいたけれど。
というか、僕もってどういうこと!?
「康二がAさんの名前を下の名前呼びしてると聞いたので、
僕もそう呼びたいなと思いまして」
こ、康二ぃいいい!!!
舘様にどんだけ私のこと話してるの!?
同郷の好といえど許さないぞ！
というか、それで舘様も下の名前で呼びたいって。
康二はなんというか、男友達的な感じで全然いいけれど。
舘様に呼ばれると心臓が止まるのでは？
でも、嫌だなんて言いたくないし......。
『お、お好きにしてくださって構いませんよ。
宮舘さんの方が年上なんですし......、
け、敬語とかも結構なので...』
ついでに気になっていた敬語についても言ってみる。
舘様の方が年上だし、元々畏まられるのはそんなに得意じゃない。
小市民故に、なんだろうけど。
「そう、かな？
それなら、そうさせてもらおうかな......。
じゃあ、Aさんじゃなくて。
Aちゃんでもよかったりする？」
早速タメ口の舘様......！
普段ファンとしてみてる舘様みたいだと思っていれば、今度はさん付けでなくまさかのちゃん付け。
本当に、そろそろ誰か事前にAED持ってきて、お願い。
『ほ、他のスタッフさんとか！役者さんが勘違いするので流石にその......』
あたふたとしながら、流石にちゃん付けはまずいと告げる。
子役の子とかならともかく、大人の私にちゃん付けで呼ぶのは絶対に勘ぐられる。
それでパパラッチにでも付かれたら、舘様が大変だ。
「あはは、ごめんごめん。
からかい過ぎたね？
それなら二人きりの時だけにさせてもらうよ」
『ふたっ......!?』
そんな私の気遣いも虚しく、二人きりの時はそう呼ぶと断言されて私は目が回りそうだ。
二人きりの時だけ、なんて恋人間ぐらいでしか言わなさそうなフレーズを言われては意識してしまいそうになった。
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Beniimo0208(プロフ) - >みなみ様 コメント及びご指摘ありがとうございます。こちらの確認不足でしたので、修正させて頂きました。今後も見守っていただきますと嬉しく思います。 (2021年1月17日 15時) (
レス) id: 7085968988 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが、気になります。27話が、抜けてます。 (2021年1月17日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅芋里芋薩摩芋 | 作成日時：2021年1月13日 5時
