act.28 ページ29
ついに来た脚本読み合わせの日。
私は準備のために元々早く来ていた。
スタッフと打ち合わせした後に予定の会議室にスタッフと行けば、舘様は既に来ていた。
本人は前の収録が早く終わったと言っていたけれど、だからって一休みしてから来てもいいだろうに。
疲労で倒れないか、とても心配だ。
しかも、準備まで手伝ってくれるので出来た人すぎる......。
頼むので休んでください、お願いします。
かと言って、私がそれを言うのもと思い、結局口に出せない。
「Aさん、飲み物配り終えましたよ」
『ありがとうございます、後は脚本を全員分置くだけなので休んでてください』
なんの収録をしてきたかまではわからないけれど、
疲れてることに変わらないので遠回しに少しでも休んでほしいと伝えるも、
手の中に積み上がったあった脚本の半分を持たれてしまう。
「いえ、あともう少しなら最後まで手伝わせてください。
その方がスタッフさんもAさんも、ゆっくり出来ると思いますし」
『あ、ありがとうございます......』
ぐ...、笑顔が眩しい......。
近くにいた女性スタッフからは黄色い声が上がるのがわかる。
流石はジャニーズ、流石はアイドル。
そして私が押しに弱いのを知ってか知らずなのか、
舘様のペースに持っていかれてる気がする。
監督としてならばまだ意見も言えるけれど、流石にただのAAとしては強く言える気がしない。
頭を抱えている内に、二人で配ればあっという間に終わってしまった。
「Aさんは、この後も打ち合わせですか？」
『いえ、一応ひと通り自分の書いた脚本を読むつもりです。
不備があったら事前に伝えとかないとですし、いつ発見するかもわからないので』
誤字脱字に表記間違い。
何十回、何百回と確認しても見つかることが多々ある。
でも、人の目で確認してるからには見落としはよくあることなので、何回しても足りないのだ。
「そうでしたか。
よろしければ、僕も一緒にいいですか？」
『え？』
「ひとりでここで待つのもなんなので......」
いやいや、むしろひとりのうちにこの会議室で休んでた方がいいと思うのだけれど......。
何より、ここよりもうんと狭い小部屋でやるので密室に二人きり......。
例の初めての食事会を思い出してしまうのだけれど......。
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Beniimo0208(プロフ) - >みなみ様 コメント及びご指摘ありがとうございます。こちらの確認不足でしたので、修正させて頂きました。今後も見守っていただきますと嬉しく思います。 (2021年1月17日 15時) (
レス) id: 7085968988 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが、気になります。27話が、抜けてます。 (2021年1月17日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅芋里芋薩摩芋 | 作成日時：2021年1月13日 5時
