アイツの背中 １２

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「ありがと・・・」

忠義がぎゅって抱きしめてくれて。

甘いキスをくれた。

何度も繰り返す、優しいキス。


ドレスのファスナーに手をかけて、
素早く下ろしてく。

ブラのホックも器用に外して、
素肌の背中を撫でてる。


その間も、キスはやまないまま。



「忠義、先にお風呂に入ろうよ」


「先に？って何の先に？」

とぼけて、いじめてくる。


「もお・・・そんな事言うならいい」

「ええっ。
俺は良くない。
けどな・・・
ヤスにいっぱい取られたからさあ。
今日は一回しか出来ひん。
て事は、この一回に俺の全部を込めなあかん」


またまたおバカな発言してる。

ヤスくんにいっぱいって。

一体、何個あげたんだろう。


とか、もう、余計な事に気が回るでしょ。


明日、二人に会う時、
どんな顔してたらいいの？


「いっぱいは語弊があるな。
Aが目を白黒してるから教えたる。
ヤスにあげたんは・・・」

「もういいよ。
そんな個数とか。
何言ってんの？
大学生の男の子みたいだよ？」

そのセリフの何かが忠義のやきもち琴線に触れたらしい。


「Aの大学生の時は、
そういういやらしい男子が周りにおってんな」

むすってしちゃった。


「そういう意味じゃなくて。
よく世間一般的に言うでしょ。
もお」

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