アイツの背中 １１

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そう言ったら、忠義が笑い出した。


くしゃくしゃになる大好きな笑顔。


こんなところに住んでたら、
自分がどっか飛んでいっちゃいそうな気がしてたけど。

そんな事ないかな。

「A、俺ら、幸せになろな？」


こうして、きつく手をつないでくれる人が、
隣にいるんだから・・・


「うん・・・」


約束。

どんな時も一緒だよ。









７月に入って、梅雨も終わって。

すっかり夏夏夏。

毎日、ジリジリの太陽が照りつけてる。


披露宴の準備も順調だし、
家を建てる土地も決まったし、
書類なんかの面倒な事は全部、
忠義のお父さんが手配してくれて。


今日は、
ついに海斗との水族館の約束も果たして。


夜になって、
部屋で、
どんな家にするのか、
二人で思案中。


ちょこちょこ書き溜めてた図面をすり合わせてるとこ。


「なんで駐車場が５台もいるの？」

忠義が押してるのは、
おっきな自動でドアが開く駐車場。

「ええっ。いるやん。
俺の分、Aの分、
それに産まれてくる子供がおっきくなったら車に乗るやん」

「子供３人も？？」

びっくりなんですけど。

私、そろそろもう３０なんだけど、分かってんのかなあ？

「よう考えたらさ、
Aに似た女の子やろ？
けどやっぱ、男の子とも遊びたいやん」

「それなら２人でしょ？」

「そやねんけど。
ちっこい子が庭でワチャワチャしてたら可愛いやん」

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