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とりつくしまがない。



その時、高坂さんが目を覚ました。


「大倉先輩・・・」


俺を見て、
起き上がろうとしてる。


「来てくれたんですね」

こんな時やのに、
ふって笑うねん。


「なあ、なんでこんな事したん?
こんな事しても誰も幸せになられへんやん。
高坂さんも・・・」


思わず責めるような事、言うてもうた。


高坂さんのお父さんが、

「お前のせいだろうが。
よくもぬけぬけと、
傷ついた娘に」

怒りでわなわな拳を震わせてる。


「違うの。
大倉専務は悪くないの」


高坂さんがはっきり、
俺らに男女関係はない言うてくれたらええのに。


「こんなひどい目にあわされてもかばいたいのか?」


俺の事を押しのけるようにして、
娘のそばに寄り添ってそう聞く。

「大倉先輩は、
優しい人なの。
お父さんが思ってるような人じゃない」

「お前は騙されてるんだ。
金持ちの遊びの相手にされたんだぞ」

高坂さんのお父さんには、
俺から何を言うても信じてもらえそうにない。

どうしたらええんか、
途方に暮れる。


「とにかく今はゆっくり休んで」

高坂さんにそれだけ告げて、
頭下げて、
廊下に出たら、
Aから電話がかかってきた。


冷静に話せるかな。

心配かけたない。

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年8月14日 10時

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