Night (ページ30)

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太陽みたいな子。ページ30

あれからあのカフェの虜になって、

遂に週に4回くらい行くようになった。

北「いらっしゃい。」

『あ、こんにちは。あの、いつものやつ』

あれ、、売り切れてる。

うわぁ、楽しみだったのに。

ショーケースに映る自分の残念そうな顔。

と、目の前にスっとオシャレな袋が出てきた。

ふわっと香る甘い匂い。

北「これ、好きなんでしょ？とっておいた(＊´ｖ｀)」

『え、いいんですか！？』

北「うん。いつも来てくれてるでしょ？」

『え、すごく嬉しい( *´꒳`*)』

北「っ///////////」

北「あ、そ、それ、あげる。」

『え？いや！悪いよ！お金っ、』

そう言って財布を出そうとした手を掴まれた。

北「そういうのは素直に従っとくのー。ね？」

そう言いながら意地悪そうな目で見つめてくる北人さん。

ず、ずるいなぁ、、

『じゃあ、いただきます。』

ﾊﾟｸｯ

『んんんー♡♡美味しいっ(´ｰ｀)』

北「よかった。」

そう言いながらじっと私の顔を見つめてくる。

なんかついてるのかな？

『あの、なんかついてます？』

北「ううん。Aちゃん見てるの。」

『えっ//////』

北「だってさ、オレが作ったお菓子、こんなに幸せそうに食べる人初めて見たんだよね。Aちゃんの幸せそうな顔見るとこっちも頑張ろうって元気もらえる。」

久しぶりにそんなこと言われたかも。

北「ふふっ笑顔真っ赤笑笑」

『い、いやそんなことないですよ』

『あ、やばい。』

やばい。もうすぐ仕事の時間！

『ごめんなさい。もう行かなきゃ。あ、これご馳走様でした！！』

北「あ、はーい。って、出ていくの早いな笑」

北人side

ほんっとに、太陽みたいな子だなぁ。

優しそうな雰囲気に、弾けた笑顔。

いつも幸せそうにお菓子を食べる。

普通のお客さんなら、いつも美味しいです。とか、

ありがとうの一言もないのに。

毎日夜遅くまでやって、また朝早くから仕込み。

やりたくてこの仕事についたけど、現実はそう甘くない。

小さい頃からの夢だったが、キラキラした心はいつの間にか蒼く傷んでいた。

でもそんな時に出会ったのが、最近よく来るAちゃん。

すごく幸せそうに食べる姿にいつの間にか惹かれていた。

また、来ないかな。何してるんだろ？

そんな事をいつも考えながらお菓子を作る。

仕込みの時にはニヤニヤが止まらない。

今日は来るかな。これ作ったらどんな顔するんだろ。って。

明日も来てくれるのかな。そう思いながら今日も明日の仕込みをする。