【角名倫太郎】俺たちの青春物語【男主】2

ズレの始まり ページ8

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「な゛っ、はぁああ！？」


「お前なんで部活来てんねん！！」





俺と治とA、3人揃って部活に顔を出すと、案の定体育館は大騒ぎとなった。





『あっ、信介くんや！会いたかったわぁ〜』



そもそも部活に来てはいけないのでは、と心配する部員を気にすることなく、Aはいつも通り北さんに抱きつきに行った。






「A、身体の調子は？というか、まだ病み上がりなのに来たらあかんやろ」




『ん？あぁ、軽い熱中症やったし平気やって』



「意識障害もあって救急車で運ばれたお前は重症患者やで」



『あれは眠くて寝ちゃっただけやし。車内ですぐ起きたわ』



「とにかく今日は帰りや」



『やだ』



「あかん言うたらあかん」



『嫌なもんな嫌やもん。帰らへん』





人殺せるくらいの北さんの目力を前に駄々をこねられるのは、たぶんお前くらいしかいないよA……





「お前に無理させたくないんや。俺の気持ちくらい分かってくれるやろ」



『じゃあ今日はみんなと同じメニューせぇへん代わりに、はじっこで一人で練習する』



「体調悪くなったらすぐ言うんやで」



『は〜い』





そう言ってAはボールを1つだけ取って体育館の端で壁打ちを始めた。






俺は他のみんなと同じように外周、ブロック練、レシーブ練、スパイク練と、絶え間なくトレーニングに打ち込んでいた。


病み上がりだから仕方のない話だとは分かっているけど、正直、ちょっと楽な練習で済んでるAが羨ましかった。

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