バケモノの宴 ページ35
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女が地面を蹴ったのを見て、私は戦闘体制に入った。
相手の右ストレートに腰を捻って回避をした。
しかしあまりのスピードで、避けたといっても頬スレスレ。
私は腰の捻りを利用して、左手の刀を横に振った。
ヒュンッという軽い音だけが空気を切り、直前に飛んだ女の体は宙に浮いていた。
「『
小さく呟くと、女は急に落下して芝生の上に強く身体を打ち付けた。
【かはっ、…！！】
今がチャンス。そう思って、私は両手の刀を直角に持ち、倒れた女の背中を目掛けて突き刺そうとした。
しかし、
【『
私の攻撃を受ける寸前に顔を上げた女。
その紫色に輝く瞳を、反射で
「なっ……！？」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
全身が金縛りのように動かなくなり、握っていた刀は二つとも地面に転がった。
何故だ。
何故こいつが、『個性』が使える？
戦闘向きの『個性』を持つ者は、全て『
なのに、『
【げほっ、げほっ………。はぁ、危うく死ぬところだったわ。
嫌だわ 私ったら。しばらく戦っていないだけでこんなにも鈍っちゃうんだから】
動けない私とは反対に、ゆっくりと背中をさすりながら立ち上がる女。
ダメだ。このままじゃ私が不利になる。
焦って身体を動かそうと試みるが、何をしても無駄で全然動けず、動かせるのは目だけだった。
【……じゃあ、まず貴女から死んでもらいましょうか】
女が手に握っていたナイフをくるりと回し、逆手に持った。
そして、高く振り上げ
私の心臓を目掛けて振り下ろした。
「………『抹消』」
静かに呟くと、パッと身体が軽くなった。
振り下ろされたナイフを間一髪に右に避け、私は素早くバク転をして距離を取った。
はらりと風に乗ってゆっくりと草原の上に落ちたのは、私の黒い髪と赤い鮮血。
「……悪いけど、私にはまだ『手札』が沢山あるの。
殺せなくて残念だったわね」
さっきのナイフが掠ってできた頬の傷を親指で拭い、煽るようにそう言った。
……けど、今のは咄嗟の判断だった。
どうやって私が有利になれるのか。
どうすれば、爆豪を守りながら戦えるのか。
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瑞樹(プロフ) - この作品大好きです！ 更新を楽しみにしています！ (2022年12月8日 20時) (
レス) @page39 id: 92b8932be0 (このIDを非表示/違反報告)
フユフユ - これ最後夢主ちゃんとかも幸せになって欲しい (2022年6月26日 21時) (レス) @page29 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
むらかみ。(プロフ) - 新作待ってました！前作楽しませて読ませていただきました！！突然で申し訳ないですが、イメ画描かせてもらってもよろしいでしょうか？少し遅くなってしまうかもですが…(失礼)更新頑張ってください！！応援してます！！！！！ (2021年12月29日 20時) (レス) @page6 id: 49021efb12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - あのさん» ありがとうございます！！！頑張って更新進めていきま〜す！！！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: 3af9d9c4f9 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 新作ですね！前作では完結おめでとうございます！(遅い)更新待っております！ (2021年12月12日 18時) (レス) @page15 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2021年12月8日 19時
