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いくらアホでも ページ15

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「さすがにアンタらも気づいてるでしょ」




角名の声は、いつもよりも低かった。

A抜きの2年レギュラーが集まる昼休み。いつもならゲームや食べ物などを待ち合わせてワイワイ騒ぐのだが、今回はそういう状況ではないのだと皆察していた。





「練習抜ける回数が多すぎる、アホやない限り気づくやろ」


「本格的にあかん方向に行ってるよな」


「丸一日話すことなく過ごすようになっとるやろ、あいつ。ほんま何があったん?」



「部活に来なくなるのもたぶんだけど時間の問題。
Aがインハイ後から様子が変わったことに関して、考えられる原因は3つある」





角名が三本の指を立てたのをみて、侑はペットボトルに伸ばしかけた手を引っ込めた。






「一つは『家庭の事情』で部活をすること、またはバレーをすることが難しくなっている」




三本の指のうち、中指が折り曲げられた。




「二つ目は『怪我』、腕や肩などを痛めていて以前のように動くことができない。
途中で練習を抜けるのも、放課後居残り練習をすると言いながら大して練習しないで うずくまって座っているのも、これで辻褄が合う」




ゆっくりと、人差し指が折り曲げられた。






「___けど今の候補以上に可能性が高いのが『病気』。

これは俺がAの普段の授業態度を見てて思ったことだけど、いつもならバレーノートに書き込んだりしているのに それすらもしなくなってずっと伏せて寝てる。

具合の悪さを軽減するためにやってる、とも言えるでしょ」





角名の考えを咀嚼するように、銀は顎に手を当てた。






「確かに、それ以外のAの変化にも説明がつくな」




「けど、もしかしたら親が関係してんのかもしれへんし、怪我かもしれへんし。

本人に聞いてみるまで真実は誰も分からんやろ」





「そう。だから俺が聞きに行こうと思う」



「「「はぁ!?」」」






突拍子もない角名の言葉に、残りの3人の声が重なった。





「なんでお前なん?おかしいやろ!」




「は?そもそもAの様子が変になったことに一番最初に気づいたの俺でしょ?もう忘れたの?


……っていうのが本音で、建前としては俺がみんなの代わりに嫌われ役に徹するためってこと」





「……まぁお前の言うことに異論はないけど、」


「本音が強すぎて建前がほんまに建前になっとる」

蹂躙→←自業



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ひな - 最新話見ました。稲荷崎バレー部の皆が優しすぎてちょっとうるっときちゃいました。更新楽しみにしています。無理しないで頑張ってください。 (4月8日 22時) (レス) @page33 id: 7014c4b6f4 (このIDを非表示/違反報告)
いぶ(プロフ) - 最新話までいっき見しちゃいました大好きですTT更新楽しみに待ってます😿 (4月1日 2時) (レス) @page33 id: c54cc0078f (このIDを非表示/違反報告)
ハチ - このお話大好きです!!続き楽しみにしてます! (1月6日 15時) (レス) @page32 id: c8c2b99305 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきや | 作成日時:2024年7月21日 10時

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