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番外編 ページ50

『俺と、結婚してくれへん?』








本当はお洒落なレストランとか綺麗な海の浜辺とか、この特別な瞬間に見合った場所で言おうって、なんとなく考えてた。





指輪は買って、渡す日まで見つからへんように隠してある。





いつ言うか、どこで言うか。


それもあるけど、言うてもええんか。







色々考えてたのに、


実際、気持ちは溢れるように口から出てしまって。








早朝の、ベッドの上。








俺らしいといえば俺らしい。









...まぁ、ええか。





あったかい君の肩に顔を埋めた。









『大事にしたい。これからも、ずっと。』








もう君が悲しまないように。


もう俺が君を失うことがないように。


もうこの幸せが壊れることがないように。





それ以上に、



2人が幸せで、


これからも歩いていけるように。









ずっと側にいたい。









「...ありがとう。」




小さく肩を震わせる君は、


俺のスウェットの肩を濡らした。





今では懐かしく思えるあの夏の出来事が


ふとした瞬間に鮮明に蘇る。









あの日、今よりもっと小さくて頼りない手で君を守ろうとした、何も持っていなかった俺。





それでも必死にその手を掴んでくれた君。





あのネオン街の俺らに不釣り合いなホテルで抱き寄せた君の肩の細さを、忘れられずにいる。








「...私も、大毅くんとずっと生きていきたい。」



「よろしくお願いします。」








救われたのは、いつも俺の方やったんかもしれへん。





少し体を離して、目を合わせる君は満面の笑顔やった。







『...ありがとう。』






ありがとう。








手のひらに落ちた雫に気付かされる。









いつの間にか俺も泣いていた。







「めっちゃ幸せだよ、私。」









これからも色んなことを乗り越えていこう。






消えない傷は2人で癒していこう。









肩を抱いて、



軽くキスをする。





こんななんでもない朝が、こんなにも幸せなら、




一生続いて欲しい。








『俺も、めちゃくちゃ幸せやわ。』









蝉が鳴く、鳴く。






その声は俺らを祝福するように。




新しい夏の始まりを告げて。

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ゆの(プロフ) - 今日ツイッターでエゴサーチを久しぶりにしてみました。まだ覚えてくれている方や、私の作品の夏が懐かしいと言ってくださっている方を見つけて、とても嬉しかったです。ちゃんと届きました。ありがとうございます。この気持ちがあなたにも届きますように。 (9月25日 17時) (レス) id: c5ec0b2059 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - これを書いた17の私はもう20歳になりました。あの時書けためちゃくちゃ真っ直ぐな気持ちは今は書けないけれど、今書けるものはきっとあの時の私には書けないもので、これからまた書けなくなるものです。あれから2度目の夏に少しだけ懐かしくなってまた書いてみました。 (9月13日 0時) (レス) id: c5ec0b2059 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 本当に心動かされるお話でした、もう感動感動です (9月12日 19時) (レス) id: 082e554ec7 (このIDを非表示/違反報告)
唯緒 - ほんまにステキなお話でした!ぜひ映画化を…笑笑 (8月30日 19時) (レス) id: 9c8991db31 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 皆さま、温かいコメントありがとうございます!!!全部読んでいます!!!!とっても嬉しいです。 (7月28日 11時) (レス) id: c5ec0b2059 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆの | 作成日時:2017年1月2日 23時

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