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カランコロン...



あれから三日後、意を決して喫茶店へ足を運んだ。



「いらっしゃいませ〜!お一人様ですか?」



バクバクとなる心臓。


今日も迎えてくれたのは、大毅君の彼女さんだった。




「あ、はい。そうです。」


「ではあちらの席へご案内します。」



そう言って彼女が示した席は、窓際の綺麗な夕焼けの見える席。


ゆらゆらと揺れるキャンドルとその夕日は、なんとも言えない情景を浮き上がらせていた。


ちょうどそこには直接日が差してなくて、眩しくない。


素敵な景色を見るのには、とっておきの場所。


せっかくの彼女の気遣いだけれど、



「あ、あの、すみません。カウンターに座ってもいいですか?」



今日から出来るだけ彼に思い出してもらえるように、頑張ると決めているから。





そう言うと少し驚いた彼女だったけど、笑顔で


「大丈夫ですよ!好きなところへどうぞ。」


と沈みかけた夕日に背を向けた。







カウンター席は、少し奥に入ったところにあった。


珈琲がたっぷり入ったガラスケースや、おしゃれなオブジェが飾ってある。



カチャカチャと食器を洗う音や、珈琲の香り。


様々なものがその場所を取り巻いていた。



カウンターの奥から出たり入ったり、忙しなく動く店員さん。



その中に、大好きな彼がいた。



三日前に来た時は、とても急な再会だったから一つ一つをしっかりと見ることができなかった。


今見ると、あの頃少年だった大毅君は


肩幅も大きくなってるし、筋肉がついて前よりも分厚くなった体にしっかりとした腕、



もう大人の男性になっている。



だけど頬に出来る笑窪や、甘い声、無邪気な性格はそのままのようだった。



遠くから見ていても分かる。





一番端っこの席に座った。


なんだか緊張してしまって、真ん中には座れなかった。



少し離れたこの位置から、彼を見る。



ニコニコしながら店員さんとじゃれたり、かと思ったら真面目に何かを作ったり。



そんなどんな姿を見ても、好きは溢れた。



気がついたら、目線を移すのも忘れて彼ばかりを眺めていたみたい。



視線に気づいた彼がふっと顔を上げた。



パチッ



目があう。


体温がじんわりと上へ上昇していく。




綺麗なビー玉のような目に見つめられるだけで、顔が赤くなる私は学生の頃から変わらない。



目が合えば、私の世界は彼だけになる。

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ゆの(プロフ) - 今日ツイッターでエゴサーチを久しぶりにしてみました。まだ覚えてくれている方や、私の作品の夏が懐かしいと言ってくださっている方を見つけて、とても嬉しかったです。ちゃんと届きました。ありがとうございます。この気持ちがあなたにも届きますように。 (9月25日 17時) (レス) id: c5ec0b2059 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - これを書いた17の私はもう20歳になりました。あの時書けためちゃくちゃ真っ直ぐな気持ちは今は書けないけれど、今書けるものはきっとあの時の私には書けないもので、これからまた書けなくなるものです。あれから2度目の夏に少しだけ懐かしくなってまた書いてみました。 (9月13日 0時) (レス) id: c5ec0b2059 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 本当に心動かされるお話でした、もう感動感動です (9月12日 19時) (レス) id: 082e554ec7 (このIDを非表示/違反報告)
唯緒 - ほんまにステキなお話でした!ぜひ映画化を…笑笑 (8月30日 19時) (レス) id: 9c8991db31 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 皆さま、温かいコメントありがとうございます!!!全部読んでいます!!!!とっても嬉しいです。 (7月28日 11時) (レス) id: c5ec0b2059 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆの | 作成日時:2017年1月2日 23時

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