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カタカタカタ。
薄暗い部屋から、キーボードを叩く音がする。
カーテンの隙間から漏れる光と液晶画面の光以外、明るいものはない。
『…』
無言のまま椅子に座っている玲の前には、数台のパソコンがある。
そのどれにも、日本語やら英語やらがずらっと並んでいる。
いや、凄まじい速さで画面上を流れている。
『ふぅ。大体の情報は集まったかな?』
調べ上げた情報をまとめ、数台あるパソコンの中でも持ち運びが便利なノートパソコンにデータを移す。
(原作とあまり変わってないみたいね。)
爆弾が設置されると思われる場所は、前世で見た内容と殆ど変りはない所だった。
勿論、爆弾の種類も四年前と同じく水銀レバーの確率が高いと分かった。
それだけの情報を玲は短時間で集めてしまったのだ。
『さて、情報も集まったことだし、良しとするか...問題はもう一つの爆弾の場所なんだけど...』
どうするか、と考えていたとき突如一台のパソコンから音が鳴る。何事かと思い、見てみると一通のメッセージが送られてきていた。
それも、リアルタイムのビデオメッセージだ。
すぐさま手紙のアイコンをクリックし、Enterキーを押す。
すると、部屋の天井から一台の薄型テレビが出てきた。その画面に人が映し出される。
茶色の髪に日本人とは思えない程の白い肌。
そして緑の目をした若い男性だ。
「やぁ、久しぶりだね。玲、元気にしてた?」
男性は玲を見た後、にこやかな笑みを浮かべて言う。
『そうね、私は元気よ。今は忙しいけれど』
「おっと!...そうとうご立腹のようだね」
『そりゃあ...ね。そんな事より、何の用?...望月』
望月と呼ばれた男性は苦笑いを浮かべながら、説明を始めた。
望「実は、フィズさんから聞いたんだよ。玲が...いや、
“黒蝶様”が困ってるって」
『...その名で呼ばないで。今は黒蝶じゃないわ』
望「それは失礼。でも、貴女が黒蝶であることは変わらないよ」
『知ってるわ。そんな事』
私がそう言った後、暫く沈黙が訪れる。その沈黙を破ったのは望月の方だった。
望「まぁ兎に角、俺も今回の事は手伝うよ。何てったって俺は玲様の一番の部下だからね!」
『はぁ、様付もやめてって何度言ったら分かるのやら』
望「何度言っても分からないよ。玲様は玲様だから」
『はいはい。それじゃ、よろしくね。望月?』
望「玲様の仰せのままに」
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宵宮月 - 水縹さん» ありがとうございます。取り敢えず、勧めてくださったお姉様と、ハマってくださった水縹様に感謝です!あ、どうでもいい話ですが、姉がいるっていいですね。うらやましいぃ(( (2018年3月29日 17時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
水縹 - 姉に勧められて読んだのですが…ハマりました。完全に。もう、面白くて好きです!ほんと好きです!頑張ってください。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: 82e8451007 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - ゆきさん» 設定がツボとは...ありがとうございます!私もです← こうだったら良いなぁと思うものを詰め込んだら、こんな設定になりました(笑)更新は遅いですが、気長に待っていただけると幸いです。 (2018年3月11日 22時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 初コメ失礼します!夢主の設定が凄いツボです!あと、面白くて好きです!ありがとうございます!! (2018年3月10日 1時) (レス) id: 7e2effa0f0 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - aboutさん» ありがとうございます!そう言ってくれる貴方の方が神だよ...嬉しすぎて顔ニヤける((タメですみません; (2018年2月22日 20時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵宮月 | 作成日時:2017年8月6日 17時