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「結構物片付いた気がする」
「断捨離、してこなかったもんね」



時計の針が6時が訪れたのを知らせ、その瞬間地面が大きく揺れた



「うお……………結構揺れたね」
「あ、ここの部屋からでも見えますよ」
「ほんとだ」


1番近い基地から出発する宇宙船が発射するのが見えた。宇宙船はみるみるうちに速度を上げてあっという間に見えなくなってしまった




「地球に、残りましょう」


彼は昨日、俺にはっきりとそう告げた


「沢山考えたけれど、僕は、相手を1番に想うことが『愛すること』だと思うんです。だから、僕が福良さんに生き続けて欲しいと思うのは、きっと僕のエゴだと思う」


もう彼の目に迷いはなく、俺の目をしっかりと見つめてくれる。小さく息を吸って、俺の手を取って言った


「僕と一緒に、死んでくれますか?」


きっと、大切な人に「生き続けて欲しい」と思うのは誰だって共通の思いだ。だけど、もしそう自分が願ったせいで相手が不幸になることが確定してしまったら、しかもその選択は自分にとっても全く有益でないとしたら、きっと誰も「幸せ」にはならない

頭の良い彼はきっと、俺が考えたことを全て理解してこの結論を出してくれたのだ



「ありがとう、河村」
「ん、何がですか?」
「いや、俺と地球に残ってくれて」
「こちらこそ。福良さんの言いたいことは、わかってるから」
「流石だなあ」
「まあ、病人なんだから今日は早めに寝ときなよ」
「えー、もう俺元気だよ?」
「信用ならん!」



彼とじゃれ合うこの時間も、昨日違う選択をしていたら存在し得なかった未来だろう。この選択が正しいのかは分からないけれど、これが俺達の出した結論だ


「明日は、晴れるといいな」


彼は空を見ながらそう呟いた

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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年12月10日 2時

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