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「ねぇ、ずっと気になってたこと聞いていい?」
「うん」
「なんで河村は世界が終わるって知ってても俺に野菜食わせようとするの?」
「いやー、野菜は美味しいだろ?」
「やだやだ食べたくないよ」


前に彼から「一緒に長生きしたくないのか!」と怒られて渋々食べていた野菜だが、健康に気遣う必要が無くなってまで食べようとは思わない

「うーん…やっぱりさ、ほら。あれじゃないですか」
「何何、はっきり言ってよ」
「…やっぱり日常が変わるのは、寂しい、というか」


最後の日まで貴方と普通の日々を過ごしたい、と続ける彼の目があまりにも切なくて、何も言えなかった


「ということで、出来たので食べてください」
「…分かったけど…いつもより多くない?」
「黙って食え」


さっきの態度とは打って変わってニヤニヤと笑う彼。本当は俺の嫌がる顔が見たいだけなんじゃないか?と疑いをかけつつ、渋々箸を口に運ぶ


「うぇぇ…」
「はい、ちゃんと飲み込む」
「飲み込んだ…」


えらいえらいとわしゃわしゃと頭を撫でられる


やっぱり俺も、彼と同じようにこの日常が好きだ

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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年12月10日 2時

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