検索窓
今日:64 hit、昨日:60 hit、合計:597,934 hit

16話 ページ21

あの後すぐに、Aが意識を失って落ちそうになるのをクロウリーが支え、話の流れからそのまま学園長室に向かうこととなった。



セベク達は同行すると言って聞かず、僕の後ろを付いて離れない。いつも陽気なリリアも、Aを見て以来一言も喋らなくなった。






学園長室のすぐ隣に空室があるらしく、Aを抱えたままクロウリーは進む。


いつまで彼女に触れているつもりだ、と視線を送れば…



クロウリー「ベッドに寝かせるだけですから、そんなに睨まないでください…」



内心焦っているのか、冷や汗をかきながら苦笑いで答えた。



室内の照明に照らされたAの肌は真っ白で指先で頬に触れてもぴくりとも動かないが、僅かに聞こえる規則正しい息遣いが聞こえただけでも僕は酷く安心した。



僕がAの眠るベッドから離れないでいると、クロウリーはため息を誤魔化すように小さく咳き込み、退室を促してくる。



クロウリー「大丈夫です。この部屋は関係者以外入れないよう結界を貼っておきますから」


マレウス「……」



Aの頭をひとなでし、重たい腰を上げる。
……何となく、身体が疲れているような気がする。



今まで疲れや恐怖なんてもの、ほとんど感じていなかったのに。



Aが目覚めてから、僕の体にも“生きている”という感覚が鮮明に現れるようになったのだろうか…。



クロウリー「…では、まずは“彼女”の話をしましょうか」



そんなことを考えているうちに、学園長室のソファーに座る僕達に向かい合い、クロウリーは話し始める。



静まり返った部屋の中、僕の耳には知っていること、知らないこと、その両方が伝えられた。



ひとつ、Aはある呪いによって100年もの間NRCの〈眠りの間〉で眠っていたこと。


ふたつ、この日(・・・)に目覚め眠りの間から出られたのは、様々な条件が重なって起きた偶然に過ぎないこと。


みっつ、呪いは完全に解かれておらず、解決法が見つからないこと。


よっつ、Aは眠る前の記憶を失っていること。





いつつ____________



























































































魔法を使えば、Aは死んでしまうこと。

17話→←*作者より



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (519 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1558人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Rin(プロフ) - 続きが楽しみです 更新頑張って下さい (2023年4月20日 2時) (レス) id: a3128229fd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(元あやりん) - 若様ァァァ!若様と誓いしていたなんて。おっし若様、アタシと結婚しまs((若様好きすぎて暴走してしまった。すk(((殴。すいません面白いですし、好きです (2021年10月22日 21時) (レス) @page21 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
三月アリス  - めっちゃ好きです!マレウス様かわいい! (2020年9月7日 10時) (レス) id: 742f423e47 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2020年9月3日 17時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え?めっちゃ好きです!!更新楽しみに待ってます! (2020年8月20日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:毘張 | 作成日時:2020年7月30日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。