15話 ページ19
クロウリーは目にも止まらぬ早さでAの肩を引き、僕と数メートル距離をとる。
マレウス「…………何の真似だ、クロウリー」
誓いの儀を邪魔された僕の声には、怒りが籠っていた。
奴は彼女を背に隠すように、僕と対峙する。
マレウス「どういうことだ?なぜ彼女が
クロウリー「まずはマジカルペンをしまいなさい、ドラゴニアくん………落ち着いて、私と話をしましょう」
マレウス「Aを返せ」
クロウリー「今のあなたにこの子を渡すわけにはいきません。この子は危険な状態です。何かあってからでは遅いんですよ」
マレウス「僕と彼女を引き裂く程の訳があるのなら、言葉で伝えよ。人の心を察するのは得意じゃない」
クロウリー「……あなたも気付いているでしょう。
この子の中の“膨大な魔力”に…」
マレウス「……」
クロウリー「目覚めたばかりのこの子には制御が難しい……下手に刺激して魔法が暴発すれば、本人だけでなく私達もただでは済みません」
マレウス「…」
クロウリー「ですからここは一旦落ち着いて、話をしましょう」
僕が黙ってマジカルペンをしまう様子に安堵したのか、クロウリーはほっと胸を撫で下ろす。
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…Aをはじめて見た時、僕は自分の目を疑った。
神々しさすら感じる姿で歌うAの背後に、“それ”は確かに居た。
黒く捻れた2本の角を生やし、炎のような黒い衣を身にまとった……あれは…
マレウス「……あぁ…」
あれは確かに、僕の先祖だった。
あの時の僕は随分と久々に、恐怖を感じていたのだと思う。
彼女の肩に手を置き、耳元で何かを囁いているのを見て、直感した。
………Aは、
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リリア「マレウス!」
背後から聞こえるリリアの呼び声に、ハッと我に返る。
セベク「若様ぁぁあ!!」
シルバー「マレウス様、ご無事ですか?」
僕達と同じく空中に浮くリリアに続いて、下の校舎の方からも声が上がった。セベクに至っては半泣き状態で僕に手を振っていた。
あぁそうか、寮内に戻らない僕を心配して探しに来たのか……やけにぼんやりする頭でそんなことを思う。
下の2人に向けて片手を上げ、無事であることを伝える。
リリアはじっと、Aを見つめていた。
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Rin(プロフ) - 続きが楽しみです 更新頑張って下さい (2023年4月20日 2時) (レス) id: a3128229fd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(元あやりん) - 若様ァァァ!若様と誓いしていたなんて。おっし若様、アタシと結婚しまs((若様好きすぎて暴走してしまった。すk(((殴。すいません面白いですし、好きです (2021年10月22日 21時) (レス) @page21 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
三月アリス - めっちゃ好きです!マレウス様かわいい! (2020年9月7日 10時) (レス) id: 742f423e47 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2020年9月3日 17時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え?めっちゃ好きです!!更新楽しみに待ってます! (2020年8月20日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:毘張 | 作成日時:2020年7月30日 1時