生きてる感じがしない ページ29
「行っちゃった…」
二人は本当にいなくなってしまった
もうあの二人がこの部屋にいた痕跡はどこにもない
「けど…」
私は寂しさに押しつぶされることはなかった
「あの言葉、信じるからね」
二人が離れていても私の事をちゃんと見ていると考えたら、胸が暖かかった
二人がいなくなった後も私は勉強する習慣がなくなる事は無かった
というより、一日めんどくさいからサボるとその日の夢で
「ゔおおおおい！A！何サボっていやがるぅ！」
と大声で怒鳴られたり
「A、そんなにオレにかっ消されてえのか？」
と銃によって灰にされる夢を見てしまったら、朝起きたら当然
「ごめんなさい！今日は昨日の分まで勉強します！」
と誓いを立てるだろう
そんな日常が一年近く続いて、それなりに勉強をした私は無事に志望校にも入れた
間違いなく、二人が夢に出ていなかったら勉強をサボった私は受からなかっただろう
「じゃあねA、また明日ー」
「うん！バイバイ」
私と由比は高校でも一緒だった
相変わらず私が困ったときは助けてくれる、頼りになるお姉ちゃんみたいな存在だ
高校も中学のときと比べて校則も少なくて結構自由で楽しい
「でもなぁ…」
一人になって私はため息をついていた
「何かが物足りない」、それが何なのかは自分でも分かっている
それがどうしようもないって事も…
「何かなぁ…まるで死んだような気分だよ」
縁起でもないが、まさに私に一番しっくり来ている言葉はこれなのだ
あの時のように、すっごく楽しかったり、恥ずかしいと思う事は一度もなかった
「もう一度…少しの時間でもいいから、二人に会えたら」
無駄な事なのは分かっている
あの日のように流れ星が流れていたら話は別かもしれないが、今は昼間だ
「だよね、むしろ会いたいってのが無謀だよね」
約一年、もう一度会いたいという思いを今日も抱えながら私は苦笑した
ありがとう！縁結びの神様→←悲しいけど…それだけじゃダメだよね
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吉田 夕陽(プロフ) - めっちゃええ作品ですね！もう、なんか、世界観に入り浸って想像しながら読んでいると、ニヤニヤが止まりませんでした！神作ありがとうございます！！ (5月28日 21時) (
レス) @page34 id: ab26c36e5b (このIDを非表示/違反報告)
風来坊(プロフ) - ゆうさん！ありがとうございます！そう言ってもらえて、とても嬉しいです (2019年12月22日 8時) (レス) id: 2959e30a52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - えー！めっちゃいい作品じゃないですか！泣きました (2019年12月20日 21時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
風来坊(プロフ) - ログインできました！よかったらコメントお願いします (2019年11月21日 19時) (レス) id: 2959e30a52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風来坊 | 作成日時：2019年11月14日 17時
