Voyage (ページ4)

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和は普段料理などしないが手先が器用なため、スムーズに、かつスマートに野菜を切り進める。

昔から何をするにも普通の人以上のことを簡単そうにやってしまうため、周りの人からは才能があるね、と言われていた。

そんな様子を、向かいのカウンターから一人の男が肘をついて見ている。

潤「リーダー見てるだけなら手伝ってよ」

智「俺はやらない。二人が料理作ってるのを見てるだけで楽しいんだもん」

うちではリーダーと呼ばれている大野さん。

あだ名の由来は、５人が小さい頃に通っていたスイミングスクールでのグループ分けで決めたリーダーが彼だったから。

今更変えようにも良い言葉が思いつかないからと、今でもみんなから「リーダー」と呼ばれている。

潤「まぁリーダーに言っても手伝ってくれるとは思ってませんけど。それにしてもやっぱり和は腕がいいなぁ。今からでもシェフ目指せば一人前になれんじゃね？」

和「それは遠慮しておきます。だってずっと切ったり炒めたりしてたら腕が疲れちゃうでしょ？

...そんなの毎日シップ貼らないといけなくなるし、
シップも安くはないんだから。」

相変わらずな和の返しに、それもそうか、と自分が煮込んでいる鍋に視線を落として作業を進めた。

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