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長い長い行列がそこにはあった。
いつから目を覚まして歩いていたのか、意識を取り戻した時には私はその長蛇の列に並ぶ一人で、その先には何万人もの人が同じようにただ前の人が動いたらそれに合わせて歩く。
周りにいる人は人種、性別、服装と様々である。
私は裸足で、部屋着と呼べる軽装で、髪はボサボサ。いかにも休日の寝起きといった様子に見えるが鏡がないため確認はできない。
身長は低い方だ。周りを見渡せば長身の外国人がおり、人の隙間と隙間から外を眺めるとそこは赤、赤、赤。どこまでも赤。
ただ鮮やかな赤色ではない。もっと黒くて、まるで血を連想させた。
「……で、…は……か？」
こんな人混みにも関わらずガヤガヤとした煩さは無くて、私も自然と黙っていると微かに声が聞こえた。
それは列が進むごとに鮮明に聞こえるようになって、視界を遮っていた外人さんが煙のように消えてしまうと痛いほどの赤の光が直接目に入って思わず目を細めてしまう。
「……若い子やな。見た感じ病気っていう訳でもないな」
目の前にいたのは例えるならそう、空想上の「鬼」。
鋭いツノは額から一本、二本。薄く口を開けても見える犬よりも立派な犬歯。炎よりも燃える赤眼。
「…………自分で死んだんか」
呆れたように鬼はため息を吐いてペラペラの手に持っていた紙を捲ってペンを走らせた。
ツノ付近にある眉間には深い皺が刻み込まれていて、苦労しているのだろう、大きなペンだこが主張されている。
「何かあったん、説明によっては罪軽なるで」
『……ここは、どこですか？』
「一々説明してやれる時間は無い。今日のノルマは15万、現在8万、大体半分くらい。残業はしたくないねん」
今まで私のように聞いてきた人がいたのだろう、冷たくあしらってはギロリと睨みつけると早く、とでも言いたげに露骨に催促をさせる。
とは言っても、意識が戻ったのはつい先ほどと言っても過言ではないため、記憶は定かではないが、唯一言えることがある。
『死ねって言われたから望み通り死んであげただけ』
記憶の中の人物は顔がぼやけて思い出せない。
だけど、「死ね」と言われたのだから、言う通りにしてあげただけ。
目の前の鬼はまた更に眉間の皺を深めた。
「アホか、そんなんで地獄来んな」
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青年A(プロフ) - リディーさん» 荒ぶらせることが出来て大満足です！ありがとうございます、作者だけでなくリディーさんもお体にお気をつけて。 (2021年3月9日 18時) (
レス) id: 83ce93a423 (このIDを非表示/違反報告)
リディー - つっら…尊…すっき…語彙力ぶっ飛ぶくらいには好き…心臓が痛いです。これからも応援してます。体にお気を付けて。 (2021年3月9日 16時) (レス) id: 5744dc7a34 (このIDを非表示/違反報告)
青年A(プロフ) - あずきもち。さん» お読み下さりありがとうございます！コメントを頂いた作者の目もｱﾗﾙｶｧｲです (2021年3月8日 16時) (レス) id: 83ce93a423 (このIDを非表示/違反報告)
あずきもち。 - このお話めっちゃ深いですね…。なんか深すぎて目からｱﾗﾙｶｧｲでした。(え) (2021年3月8日 0時) (レス) id: bd8875cae3 (このIDを非表示/違反報告)
青年A(プロフ) - しのみや＠元シャノさん» お久しぶりです、シャノさん！シャノさんが望むのであればヒモになり財布になり…(( ありがとうございます！短編の予定なのですぐに終わりますが…！ (2021年2月23日 20時) (レス) id: 071d1f2325 (このIDを非表示/違反報告)
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