広津 柳浪 ページ26
「う……ひ、ろつさん……も、勘弁……」
私の腕の下でもがく女性が1人。
綺麗な手でどす黒い色の染みがついた床を激しく叩く。
「痛い痛い痛い痛いですから!もう、やぁ……」
「ギブアップかね?」
「ってさっきから言ってます!」
まだ元気そうだがな、と思いつつ身体を離す。
絞められていた腕をほぐすようにゆっくりと回しながらAは立ち上がると、すぐ後ろに飛んだ。
……私から距離をとってから、ストレッチ、か。
そんな距離などすぐ詰められるというのに。
「前よりは我慢がきくようになったんじゃないか?A」
懐から煙草を取り出して火を灯す。
揺らめく煙を透かしてAを見れば、彼女は笑みを浮かべていた。
「広津さんの方こそ、手加減してくれたんじゃないんですか」
「ふっ、言ってくれる」
私が煙草を吹かし始めたのを訓練終了の合図と取り、Aが此方に向かって来た。
そしてストンと、私の隣に座り込む。
「いてて……女の子なんですから程々にしてくださいよー」
「ふむ……確かにそうだが、銀は除外でいいかね」
「銀ちゃん可哀想ー」
煙草を下に落とし、靴で踏んで火を消す。
Aと同じように冷たいコンクリートに座ると、Aは不思議そうな顔で此方を向いた。
「広津さんが直で座るの珍しいですね」
「君の隣だからな。特別だ」
きょとんとしたAに、堪えきれなくなって顔を近付ける。
唇が触れあうのに時間はかからなかった。
「君を組敷く度に抑えが効かなくなる」
「このままベッドだ。いいかね?」
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広津「よければ評価してくれると助かる。何せご老体でね」
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青鯖ぷりん - 久ちゃぁぁん…高評価するぅぅ‥! (10月17日 21時) (レス) @page11 id: 496914e067 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - だざいさぁぁんさいこぉ! (10月8日 6時) (レス) @page5 id: dfae0f9c2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかりん - フランシスさんすこ (9月15日 22時) (レス) @page23 id: 5c0b36b6f1 (このIDを非表示/違反報告)
猫助 - 最高です! (8月16日 23時) (レス) @page4 id: 0088b760fa (このIDを非表示/違反報告)
千羽鶴 - 梶井さーん!ドSなとこも好き!違うバージョン梶井さんも見たい (6月18日 23時) (レス) @page15 id: ecb3ef0346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2016年4月8日 21時