中島 敦 ページ17
「なっかじまー!」
僕の名前を呼ぶ声に振り向く暇もなく、僕は床に押し倒されていた。
「えっ、ちょ、A!?」
「誕生日おめでとう!」
にへら、と笑う彼女。
そして背後から取り出したものは、
「大人の階段を昇った君に、チョコレイトを進呈しよう!」
赤の包装紙に白のリボン。
綺麗にラッピングされてある。
「開けてみたまえ」
ドヤ顔のAを横目に、包装紙を破かないように丁寧に開けていく。
…………おぉ。
「君のお顔を印刷させてもらったよ」
手のひら大の丸いチョコレイトに、笑顔の僕。
「これ、どうやって…………」
「知り合いにね。自分を食べるのは気が引けるかい?」
ブンブンと首を振る。
「Aからもらったってだけでも嬉しいよ。ありがとう!」
いいことよ、とAはまた笑った。
いつも大雑把なAだけれども、こういうときはすごく気が利くというか。
…………みんなのことよく見てるよなぁ。
「さ、仕事に戻ろうかね」
「退社時刻じゃないの?」
「太宰のせいで残業だよ」
うーんと大きく伸び。
白いシャツを持ち上げている胸の膨らみに目がいってしまい、慌てて下を向いた。
…………今日ぐらい。
「…………A」
「なんだい?ってんむ!?」
さっきもらったばかりのチョコレイトを割り、Aの口に押し込む。
「甘い?」
目を白黒させるAが可愛くて、つい笑みが溢れた。
「お、おいしいよ?」
「じゃあ本物は?」
まだチョコレイトをくわえたままのAに唇を重ねる。
味わうように、ゆっくりと房を食む。
角度を変えて何度も。
二人の口中からチョコレイトが消えた頃、二人も離れた。
「いつもより甘いのはチョコレイトのせいなのかな」
「全身くまなく調べてもいい?」
**********
敦「評価くれたらもっと甘くしてあげる」
**********
敦君誕生日おめでとう!
…………ギリギリだけれども。
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青鯖ぷりん - 久ちゃぁぁん…高評価するぅぅ‥! (10月17日 21時) (レス) @page11 id: 496914e067 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - だざいさぁぁんさいこぉ! (10月8日 6時) (レス) @page5 id: dfae0f9c2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかりん - フランシスさんすこ (9月15日 22時) (レス) @page23 id: 5c0b36b6f1 (このIDを非表示/違反報告)
猫助 - 最高です! (8月16日 23時) (レス) @page4 id: 0088b760fa (このIDを非表示/違反報告)
千羽鶴 - 梶井さーん!ドSなとこも好き!違うバージョン梶井さんも見たい (6月18日 23時) (レス) @page15 id: ecb3ef0346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2016年4月8日 21時