【文豪ストレイドッグス】suddenly kiss【短編集】

宮沢 賢治 ページ12

「お土産持ってきましたー！」

勢いよくAさん家のドアを開ける。

途端に非難の声が届いた。

「賢治…………うるさい…………」

死にそうなか弱い声。

奥の部屋に上がり込むと、其処には横になったAさんがいた。

夏だというのにギリギリまで布団をかぶっている。

僕は持ってきたお菓子の入った籠を置くと、枕元に座った。

「暑くないんですか？」

「逆に寒気感じるから」

成程、と頷く。

よくよく見れば、Aさんの頬は紅潮していて、目も僅かに虚ろで。

「…………酔っ払ってるみたいです！」

言うと、小さく笑い声が返ってきた。

「確かに二日酔い並みにキツいねぇ。只の風邪だけど」

「与謝野先生には診せなくていいんですか？」

「これは怪我じゃあないから…………」

確かに。

…………でも。

お見舞いの直前に、与謝野先生から渡されたものがあった。

お菓子の籠を漁り、底の方に埋もれていたそれを引き出す。

「…………それは？」

「与謝野先生特製風邪薬です！」

「うげ…………」

社内で評判の苦薬。

だが、これがよく効くのだ。

「あと、これも頼まれました！」

僕はにこりと笑うと、Aさんに口づけた。

火照った唇が心地よく感じる。

…………不思議な感じです！

「もっとAさんの熱が欲しいです…………！」




「僕も火照ってきちゃいました」

「この燃え上がりは冷めなさそうです！」

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賢治「評価お願いします！」(素直)

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