鶴が五十四人 ページ6
＿＿＿＿
次の日の朝、武装した三日月と、政府の建物へ向かう
『みんなで決めたとはいえ、本当にあれで良かったの？』
「はっはっは、お嬢は心配しているようだが、皆、あれが最善だと言っている」
私は巫女服に鶴丸の羽織を着て、手甲と折り鶴のヘアピンをつけている
『もう一度いうよ、おじい
絶対に人は切っちゃダメだからね』
「分かっている、俺が人間と判断したら切らぬよ」
このジジイめ、性格で決めるつもりか
まぁいいや、何とかなるでしょ
私は三日月と共に窓口に向かった
穏やかに努めないとね
って言うなら石切丸か江雪を連れてくればよかった！
『すみません、こちらの刀剣管理課の刀澤さんに取り次いでもらえますか？』
我ながらいい笑顔、隣で三日月がクスクスと笑っている
うん、後で覚悟しておけ
「少々お待ちくださいね」
受付の女性はそう言うと、内線をかけてくれた
「藤村様、８階の会議室までお願い致します」
『ありがとうございます』
＿＿＿＿
「あっさりと通してくれたな」
エレベーターに乗り込み、三日月がそう呟いた
私は頷き、手を握りしめる
本当に会ってくれるのだろうか
それともただの代理の人なのか
誰であろうと政府の人は疑ってかからないとね
８階につき会議室に入ると、お世話になった人がいた
『刀澤、姫華さん…！』
驚いた、本人がいるとは思わなかった
「お久しぶりね、藤村さん、
そっちの人は三日月宗近さんよね？」
なんか堂々としていると、私が申し訳ない気持ちになった
疑っているだけで、本当はこの人は関係ないんじゃないかって
『お伺いします
私の近侍、鶴丸国永をさらったのはあなたですね？』
この人から情報を引き出す、例え、どんな手を使ってでも
私は軽く睨みながら刀澤さんを見上げた
「鶴丸を攫った？私が？」
不思議そうに聞き返してきた
はいかいいえしか想定してなかったから少し驚いた
『あなたは過去、国永に単騎出陣をさせてました
疑われるのも無理はないんじゃないですか？ 』
私と数秒見つめ合うと、急に高笑いを始めた
そして、驚きの結果を言い渡した
「あっははははっ！！
攫った？奪った？
違うわ、貴方の本丸にいた“鶴丸国永”は、元々私の本丸にいた“鶴丸国永”なのよ？
なら、鶴丸が私のところへ戻ってきても不思議ではないわ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夷空斗(プロフ) - 蒼い薔薇さん» コメントありがとうございます！なんとか完結させることが出来ました！この話を読んでいただきありがとうございます！！ (2018年9月29日 19時) (
レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
蒼い薔薇(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開には、ウルっと涙腺が緩んでしまいました！この小説を読んで鶴丸がもっっと好きになってしまいました。本当に最高の作品でした。 (2018年9月29日 0時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 私もいつもコメントを返していただけて嬉しいです！コメントを通して作品の励みにしていただけて、お話できて良かったです！次作を書かれるのならばすごく楽しみです！こちらこそこの作品に出会わせていただいてありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 紗衣さん» 紗衣さん、いつもコメントありがとうございます！本当に励まされました！素晴らしい作品と言っていただき、本当に嬉しいです！！最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 毎日この話を読むためにこのサイトを開いて更新を楽しみにしていました。完結したのだと知って涙が止まりません…本当に素晴らしい作品でした…。夢主ちゃんと鶴丸が向こうの世界で幸せになってくれればと思います。完結おめでとうございます！この作品が大好きです！！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夷空斗 | 作成日時：2018年9月2日 0時
