鶴が七十三人 ページ25
本丸に戻ると、みんなが出迎えてくれた
労いの言葉をそれぞれ掛けてくれたし、鶴丸に対して軽口を叩く刀もいた
驚いたのは一期たちの行動の早さ
もう本丸に戻っていて、なおかつ佐藤君を連れてきてくれていた
「馬鹿野郎、本当に霊力を使い切るつもりか」
私に飛んできた言葉は、静かだったけどとても辛くて、悲しい声だった
「佐藤くん、主を助ける方法は……？」
燭台切の震えた声が聞こえる
「もうねぇよ……
寝て治るもんじゃねぇし」
もう、助かる方法はない……
その現実がなんか笑えた
鶴丸を助けることが出来た、私はそれだけで嬉しいし、悔いはない
……と言ったら嘘になる
もっと、鶴丸と一緒に居たかった
本丸のみんなと生きてみたかった
「ただ、安静にするのと動き回るのだと霊力の消費は全然違う
それに、政府の方に掛け合ってみればいい治療法があるかもしれない
そこは総理に掛け合ってやるよ」
『……え？掛け合う？』
政府と掛け合うってどういうこと
佐藤くん、ただの審神者じゃなかったの？
「ああ、言い忘れてた
改めて、俺は刀剣管理庁大臣、佐藤武流だ
実年齢は21歳、年齢を偽っていたのは謝るよ」
……何たるカミングアウト、寿命が縮んだ
って事は、刀澤さんって佐藤くんの部下じゃん！！
心の中で思わず叫んだ
あ、まだ私元気あるね
大丈夫、今すぐ死ぬってわけじゃない
何事も前向きに考えないとね
「藤村A、お前に二つの選択肢がある
ここ本丸でじっとしてるか、それとも俺を信じて政府の元へ延命の手がかりを探しに行くか」
ゆっくりと目を開けて、私はみんなの顔を見た
不安そうな顔をしている人がほとんどの中、鶴丸だけは落ち着いていた
『国永、私行ったほうがいいかな？』
自分で決めるのが怖くて、鶴丸に助けを求めてしまった
戻ってきた途端にこれだもん、私
甘えてしまってる、支えなきゃいけない立場なのに
「俺の身体じゃない、君の体なんだ
君はどうしたいんだ？」
逆に聞き返されてしまった
自分のことは自分で決める
それは、私が今までできなかったことだ
『私は……
まだ、みんなといたい
この本丸で、みんなと生きていたい……っ！！』
そう言い切ると、鶴丸は私の頭を優しく撫でてくれた
「そんじゃ、佐藤殿に頼むか！
俺達の大切な主を」
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夷空斗(プロフ) - 蒼い薔薇さん» コメントありがとうございます！なんとか完結させることが出来ました！この話を読んでいただきありがとうございます！！ (2018年9月29日 19時) (
レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
蒼い薔薇(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開には、ウルっと涙腺が緩んでしまいました！この小説を読んで鶴丸がもっっと好きになってしまいました。本当に最高の作品でした。 (2018年9月29日 0時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 私もいつもコメントを返していただけて嬉しいです！コメントを通して作品の励みにしていただけて、お話できて良かったです！次作を書かれるのならばすごく楽しみです！こちらこそこの作品に出会わせていただいてありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 紗衣さん» 紗衣さん、いつもコメントありがとうございます！本当に励まされました！素晴らしい作品と言っていただき、本当に嬉しいです！！最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 毎日この話を読むためにこのサイトを開いて更新を楽しみにしていました。完結したのだと知って涙が止まりません…本当に素晴らしい作品でした…。夢主ちゃんと鶴丸が向こうの世界で幸せになってくれればと思います。完結おめでとうございます！この作品が大好きです！！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2018年9月2日 0時
