鶴が六十一人 side三日月 ページ13
嫌な予感がすると思い、主の方を振り向くと、鶴丸が本体で主を切り捨てていた
「いや、馬鹿な…！」
この俺ですら驚いてしまった
その隙に目の前にいた女のもとへ鶴丸は素早く駆けつけた
まるで、心がないような虚ろな目をしていた
「【言霊】とは厄介な…」
まさかとは思ったが…
俺とした事がすっかり忘れていた
刀澤は審神者である前に政府の人間だということを
『＿＿＿＿く……が…』
主の声が微かに聞こえた
俺は急いで駆け寄り、傷の具合を見た
右側の胸部から腹部にかけての切り傷
さすがは俺達の主、何があっても背を向けないとは
だが出血が多すぎる、早く連れて帰らないと
「三日月っ！！」
声がした方を向くと、何故か薬研がいた
それに乱、信濃、骨喰、一期
「大将っ！？ひどい怪我だ…！」
「薬研、手当をお願いします」
一期は弟達に手当を任せ、俺の隣にやってきた
「出陣の命令は下されていないぞ？」
「ご安心を、無断で来たわけではありません」
小声で済ませ、黒く染まってしまった鶴丸と刀澤を睨む
この人数では降参する他あるまい
「ちょっと部が悪いわね
鶴丸、ここは引くわよ」
そう言って、刀澤は背を向けて歩き出した
鶴丸は構えている
俺が動けばすぐに切りあえるだろう
しかし、驚くことに涙を流している
「い、いち兄！呼んできたッ！」
入り口から鯰尾が息を切らせて入ってきた
道理で５振りしかいなかった訳だ
だが、呼んできたとはどういう事かな？
＿＿＿＿
「刀澤姫華っ！お前をブラック本丸の審神者として逮捕する！」
武装した男達が一斉に部屋に入ってきた
なるほど、鯰尾は政府の者を呼んできたようだ
これは懸命な判断だ
「私の鶴丸を奪ったあなたの祖母を、私は決して許さないから
覚えておきなさい、“藤村A”」
刀澤はそう告げると、鶴丸と共に警備網をあっさりと抜け退却してしまった
「追えぇぇっ！！」
その号令と共に武装した男達も部屋から出て行った
俺達は刀を鞘に戻すと、薬研の元へと走った
「薬研、傷はどうだ？」
「いち兄、ちょっとヤバいぜ」
薬研が冷や汗をかきながら、必死に止血をしている
しかし、主の血は止まってはくれず手ぬぐいをすぐ赤く染める
やはり、人間に頼むか
「おいっ！お前らそいつを貸せ！」
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夷空斗(プロフ) - 蒼い薔薇さん» コメントありがとうございます！なんとか完結させることが出来ました！この話を読んでいただきありがとうございます！！ (2018年9月29日 19時) (
レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
蒼い薔薇(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開には、ウルっと涙腺が緩んでしまいました！この小説を読んで鶴丸がもっっと好きになってしまいました。本当に最高の作品でした。 (2018年9月29日 0時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 私もいつもコメントを返していただけて嬉しいです！コメントを通して作品の励みにしていただけて、お話できて良かったです！次作を書かれるのならばすごく楽しみです！こちらこそこの作品に出会わせていただいてありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 紗衣さん» 紗衣さん、いつもコメントありがとうございます！本当に励まされました！素晴らしい作品と言っていただき、本当に嬉しいです！！最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 毎日この話を読むためにこのサイトを開いて更新を楽しみにしていました。完結したのだと知って涙が止まりません…本当に素晴らしい作品でした…。夢主ちゃんと鶴丸が向こうの世界で幸せになってくれればと思います。完結おめでとうございます！この作品が大好きです！！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2018年9月2日 0時
