夜刻、君を追いかける【名探偵コナン】 (ページ45)

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ふとした瞬間に触れる肩。

その度に心臓が鼓動を増す。

彼への愛情はもっと深くなる。

けれど、そう感じているのは私だけ。

「ここのイルミすげえな...佐藤に教えてやろうぜ。」

『佐藤刑事にですか？』

｢ああ。つっても長野に急に来る訳にも行かねぇし、来年になるけどな。｣

イルミネーションを見上げる横顔が綺麗で、悲しそうに、寂しそうに見えた。

きっと誰かを、佐藤刑事を思っているんだろうな。

佐藤刑事に譲ろうと思っていたはずなのに。

先に出会って、仲良くなったのは私なのに。

自分の独占欲に腹が立つ。

彼に振り回されて、自分まで辛くなっている。

定期的に思い出させられるこの現実が、どうにも私には理解が出来なかった。

｢ほらよ。｣

『なんですか、これ。』

｢クリスマスのプレゼントに決まってんだろ。くれくれ騒がねえうちに渡しとく。｣

『マフラー、私の名前入ってますけど...。』

｢編んだ。ちょうど毛糸を貰ったもんでな。｣

｢もう高2だ。今の時期に体調崩したら困るだろ。警察学校入学試験は甘くねえぞ。｣

『...もしかして、心配してくれてるんですか？』

｢...悪いかよ。｣

ああ、ほら、また好きになっていく。