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『え?』
ただ、そんな間抜けな声しか出なかった。
シバラクアエナイ
その言葉が初めて聞く外国の言葉のようにこだまする。
『しばらく会えないって...なんでですか?』
「捜査一課から長野県警に異動になったんだよ。長野県警に人が足りてねえんだとさ。」
『そんなこと、あるんですね...。』
捜査一課でだいぶ危険なことを行ったため、頭を冷やすということだろうか。
「ああ。帰ってくるのはいつになるか分からねぇしな。」
胸から込み上げてくる気持ちを必死に抑える。
今ここで泣いてしまったら、ただ陣平さんを困らせてしまうだけ。
もう決まっていることに口出しはできない。
「お前のことは佐藤に任せてある。安心しろ。」
『...そうですね。』
初めて異性に作ったバレンタイン。
花を添えて、貴方に贈った。
マカロンと、マリーゴールド。
貴方は特別な人。
少しの嫉妬も混じえて。
『...私、待ってますね!』
ただ、そう明るく振る舞うことが私に出来ることなのかもしれない。
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作者名:hjnPRvuDEVdasep | 作成日時:2022年10月17日 22時