おい、歯ブラシ忘れてんぞ。【松田陣平】

Toothbrush｜７ ページ8

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『ねぇ。一番気になってる事あるんだけど...聞いてもいい？』


「何だ？」



『松田、あんた幽霊なんでしょ。


＿＿何でコーヒー飲めたり煙草吸えんのよ』



絶対おかしいだろと思う事をまさかの一日空けて問いた。自分でもびっくり




「...今気付いたのかよ」




存 在 が 一 番 ビ ッ ク リ だ わ





幽霊になっても何か出来るなんて最早二の次だわ





『そもそも歯ブラシ持ってきてた事すらおかしいと思ってたのよ』


「その前にリモコンで実践してたけどな。...まぁ見ての通り生きてる奴となんら支障無く、食えたり触れたり出来んだよ」




再び夕食を口にする松田に青筋浮かべた




落ち着け、落ち着け自分。こんなふざけた能力きっと何かの間違いだ





こめかみに手を当てたままふと松田に視線を戻す





待てよ、松田は今居候の身。そして食事やらなんやら大抵の事は出来る...しかも奴は私以外の他人に姿を認知されないときた





『ねぇ松田。お金はあるんでしょうね？』




ん？とパスタを頬張った彼はポケットに手をつっこみ取り出した財布を投げてきた



落とさないようにキャッチすれば顎で何やら示してきたので開けていいという事だろう



嫌な予感が早くもしつつ恐る恐る覗いた





『っ、はあぁ！！？二千円！？！！？道理で痩せた財布だと思ったのよ！！松田と似たような体型じゃない！！！』


「ディスってんの？」


『何処までも貶してるわよ』




この際落ち着いてなんかいられない



拍車がかかったように荒々しく声を上げた



『居候するったって、幽霊の癖に食費がかかるんでしょ。そして松田はヘビースモーカーだし煙草税もかかってくる』


「場合によっては我慢というものを＿＿」


『いや、アンタは一日二箱絶対吸う』


それだけじゃない。水道料だの電気代だの払う金額が爆上がりだ




『...一体誰が払うと思ってるの』



「俺は働けねぇし...Aしかいなくね？」



『こんっの...クズ！！ヒモ男！！！干されろ！！！！』



手当たり次第の暴言を吐いてついでにクッションも投げつける


...が、見事にキャッチされてしまった



だからそこは透けろよ！！！

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