6mm.

42.すずき せいや。 ページ49

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さらさらと髪を梳く手が心地よくて目が覚める。
暖かくて、大きくて。大好きな手、だ。






「……ん」

「起こした？」

「へいき、」






朝の陽射しの中で、
大好きな人の腕の中で目が覚めて、
彼が優しく微笑む。それを見て私も微笑んで。

ここに、幸せ、以外の言葉は見当たらない。






「メリークリスマス、Aさん」

「メリークリスマス…、朝ごはん作るね」







名残惜しさを感じながら体を起こす。

サイドテーブルにちょこんと置かれたベルベットのケースには緑色のリボンがかかっている、







「これ、」

「Aさん」

「誠也、くん……、」

「良い子で頑張ったから、サンタが来ました」







起き上がった誠也くんがひょいと腕を伸ばして、そのケースを手に取ると、リボンをスルリと解く。

何が入ってるのか、
なんて見なくたって分かってたはずなのに、
なんで涙が出るんだろう。







「Aさんへの、プレゼント」

「頑張ってたのは、誠也くんじゃない」

「Aさんがいたから頑張れたんだよ」







銀色のリングがキラキラと輝く。
彼が私の左手を取って、






「結婚、しよう」

「……わたし、サンタさんと結婚するの？」

「違う、俺」







うん、

相変わらず涙は止まらない。
今この瞬間のすべてを死ぬまで覚えていたいのに、涙が邪魔で、誠也くんが霞んで見える。







「ありがとう、誠也くん」







そんな言葉ひとつじゃ、この気持ちを到底表しきれないけれど、それでも、ちゃんと伝えたい。


大好きだよ、ありがとう。

どうか、世界のすべても幸せに。








〔 HAPPY HAPPY MERRY CHRISTMAS 〕







だいぶ早いですかメリークリスマスです皆様。
広島カープ優勝記念のつもり。

(SBさんも近日公開)

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