6mm.

〇. ページ47

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家の近くの花屋で買った仏花を備える。
お線香から立ちのぼる煙が空へと消えていく。

私が手を合わせて目を閉じる、
彼も同じように私の隣にしゃがんだ。


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お父さん、お母さん
お久しぶりです
ずっと心配をかけていてごめんなさい

私はちゃんと、生きてます


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「……」

「たく、」

「ん」

「行こっか」

「もういいの」

「うん」







私の鞄の中には卓から貰ったネックレス、
それと唯一家族3人が写った写真。

ずっと捨てられなかったのは、
ずっとサヨナラを言えなかったからだ。




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これからもちゃんと生きていきます

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立ち上がって一歩彼と共に踏み出すと、
背中をふたつの手が優しく押してくれた気がした。






「来られて、良かった」

「ん」

「ありがとう」

「お礼言うのは俺の方」

「なんで？」

「会わせてくれて、ありがとな」






真っ直ぐに、そんなことが言える彼は、本当に優しい人なんだ。私には勿体ないくらいの人なんだ。








「Aのことは俺が守ります、って言ったよ」

「……たく……」

「、聞こえてたらいいな」








ぐしゃぐしゃと頭を撫でられる。
彼の愛情がたくさんつまった手に触れて。

私は肩にかけたバッグをぎゅっと握った。









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