愛してるよ橙くん４ (ページ14)

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紫side

収録を終えて、コラボした先輩や収録に一緒に参加した後輩たちと話をしてたら、けっこうな時間が経っていたみたいで。

周りを見たら、他のやつらも残ってる。

まあ、こんなにたくさんのメンバーと話すことができるのも、こういうときしかないからなぁ。

とか思ってたら、

………あれ、いない。

康二の姿だけが見えなくて。

あいつの性格上、残って慎太郎とかジェシーとかと、わいわいやってそうなのに。

「………っ……もしかして、」

何やってんだよ俺。

思い出した、さっきまで言ってたじゃんよ。

先輩や後輩に、一言あいさつをして、急いで楽屋に戻る。

ｶﾞﾁｬｯ

「康二っ！」

ドアを開けても、目の前には姿はなくて。

俺の思い過ごしか？と思ってぐるっと視線を動かすと、

「……！？…………康二っ！！」

部屋の隅の壁にもたれかかっている姿。

急いで駆け寄って、声をかける。

「康二、大丈夫か？」

橙「……ふっか、さん？……うん、だいじょぶ……
　もうちょっと……」

まぁまぁ話せてるけど、もうちょっとってことは動けないのか。

顔色は………うん、ダメだな。

「眩暈してるな？」

橙「ん……ちょっとまだ、ぐるぐる、してる……」

「そう。わかった、目、閉じてそのままな。」

寝かせた方がいいよな。ソファに運ぶか。

黄「おつかれー。ん？ふっかどしたの？」

タイミングよく楽屋に入って来たのは、照。

黄「あれ、康二？……あ、もしかして、」

「うん、眩暈。いつからかはわかんないけど、
　まだ動けない。」

黄「うわ、まじ？……ソファで大丈夫？」

さすが、わかってるわ。

「康二？ちょっと動かすから。ソファ行くよ。
　横になろう。」

橙「……だい、じょうぶ……もうすぐ、動ける……
　このまま……ええよ…」

「ダメ。横になったら気持ち悪い？」

橙「ぅうん……ない…」

黄「じゃあ決まり。………よっと…」

照に運ばれて、ソファへ。

たぶん貧血だと思うんだけど……。

とりあえず足元を高くしてみた。
　

黄「必要そうなもの持ってくるわ。」

「ん、頼んだ。よろしく。」

橙「……ごめ、ん…」

「いいって。悪かったな、終わったらすぐ
　来るべきだったわ。」

そう、早く来ていれば、康二は１人で耐えなくても良かったんだ。

症状も、もう少し軽く済んでいたかもしれない。