忠臣と姫 ページ45
話をしながら、二人で住宅街を歩いていく。
「ハァ〜、ボディーガード頼む相手間違えたかなぁ。」
「そうかも。もっとましな妖怪いなかったの？」
「でも、あまり迷惑かけられないし…」
すると、どこからか視線を感じたので二人で振り向いてみた。さっきの公園にいた子どもが、じっとこちらを見ている。目が変だ。
気がつくと、回りにひとが増えている。皆、目がなんだかおかしい。これはまずいかもしれない。
「ねぇナツメ、逃げよう！」
「う、うん。」
二人で走り出したけど、集団は皆ついてくる。これは本当にまずい。どうにかふりきろうとしたが、行き止まりになってしまった。
「しまった！」
「ああ… イヤァーっ!!!」
ナツメが悲鳴をあげて座り込んでしまった。集団は私たちを囲い、ぶつぶつと何かを言っている。聞いていると…
「朱夏… 朱夏…」
「宇受女… 宇受女…」
と、口々に言っているらしかった。人々の背後からどす黒い念が出てきたと思うと、それはタワーのような形になった。
それは、「朱夏… 宇受女…」と言っている。どうやら、ナツメの中の姫と私の中の宇受女を狙っているらしい。まずい、逃げられない…
「朱夏！」
それは、空亡ウイルスは叫びながら私たちに突っ込んできた。悲鳴をあげるナツメを庇うようにして、私はしゃがみ、目を閉じた。
が、何も起こらない。恐る恐る目を開けると、そこには酒呑童子の忠心・洞潔が立っていた。私たちを庇い、空亡ウイルスを受けてしまっている。
「ぐうう… うあああああ!!!!!」
「洞潔！」
上を見ると、ミッチーと酒呑童子が来ていた。二人は驚いた顔をして私たちを見る。
しばらくすると洞潔は起き上がった。が、突然私を自分に寄せ、私の首もとにアシュラ豪炎丸を突きつけた。
洞潔の目はぎらぎらとしていて、いつもの目の色をしていなかった。目の下に、隈取りも出ている。
「酒呑童子… 貴様を倒す！ 来い。弐の姫の御命が惜しければ、な。」
「洞潔… お前。」
酒呑童子は一瞬悲しそうな目をしたけど、すぐにキッと洞潔を睨み付けた。上に飛び、空を切り裂いて次元を繋げた。
酒呑童子はそこに飛び込み、洞潔もそれに続いて飛び込んだ。…私を抱えたまま。
下を見ると、心配そうに私を見上げるナツメと、ナツメを庇っているミッチーがいたけど、空間が閉じられて、見えなくなってしまった。
酒呑童子が洞潔との戦いに選んだ場所は、…鬼桜の咲く場所だった。
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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます！忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました！本当に面白いです！！これからも更新頑張って下さい！！更新楽しみです！！（＾ν＾） (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます！フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします（＾◇＾） (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです！とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい！ (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます！なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
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