人間界デート ページ31
パンケーキを食べ終えて席を立ち、会計をした。外に出て、次は何処に寄ろうかと話をしてると、黄色い声が聞こえた。
「すみませぇ〜ん」
声の方向を見ると、現代風の服装のギャルが三人立っていた。皆、爪がものすごくギンギラギンで、綺麗に化粧をしていた。(でも少し濃いかな…)
「何ですか?」
「あ、写真を撮って欲しいんです〜!」
声をかけた私ではなく、フクロウの方に近寄る三人。何なんだよおい。
「じゃ、カメラ貸してください」
「え〜? カメラじゃなくてスマホで! ププッ」
「ね、あなたも来て!」
私にスマホを渡し、女たちはフクロウの腕を無理矢理引き、並んだ。フクロウ、怯えてる。顔が青ざめ、震えているのがよく分かる。
無理矢理腕を組んでる女二人は、自分の胸をフクロウの腕に押し付けているようにも見える。…かわいそうに、フクロウマジで怯えてるわありゃ。
「ね、撮ってぇ〜!」
「………撮りまーす」
正直本気で頭にきたので、いたずらしてやる。
すぐ写真を撮ったが、まだ撮ってないふりをする。三人とも良い具合に白目をむいていた。
加工機能があったので、かわいいふわふわの白い熊の耳を三人にデコレーションしておく。(あとフクロウは加工で消しといた)
「撮れましたー。消えないように保存しときましたよ」
「ん。ねぇ、あたしたちこれから動物園行くんですけど一緒に行きませ〜ん?」
女は私から無愛想にスマホを受けとる(奪い取る?)と、またワントーン高い声でフクロウに話しかける。あー、嫌そうな顔してる。
「…彼にあまり関わらないでください。行こう。」
「ね、梟とか間近で見れて楽しいですから♪ 行きましょう!」
「…!」
フクロウは怯えた顔から一転、女たちを強く睨み付けた。あまりの変貌に、女たちは腕を組むのをやめ後ずさる。
「な…何よ…?」
「…やめろ」
フクロウとは思えないほど低い声。これはまずい。
女たちが怯えた隙に、私はフクロウの手を引いて走り出した。写真を見たらしい女たちは何か叫んでたけど、とにかく走る。
走って、人気の少ない塾の裏道に着いた。私は息を切らしていて、膝に手をつく。フクロウは俯いていた。
「…ごめんねフクロウ、すぐ助けてあげられなくて。大丈夫?」
「…A…」
「ん?」
フクロウは、ぐっと私を抱き寄せる。私の左肩に顔を埋め、ふぅ〜っと息を吐いていた。
「…なんか、あの人たちが怖くて… つい、あんな風に取り乱しちゃいました」
「…そう」
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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます!忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました!本当に面白いです!!これからも更新頑張って下さい!!更新楽しみです!!(^ν^) (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます!フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします(^◇^) (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです!とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい! (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます!なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
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