人間界デート ページ29
無事に女郎蜘蛛を退治した次の日のこと。
机に向かって英語のワークとにらめっこしてる私に、後ろから抱きついてくるフクロウ。本人曰く、『こうしてると落ち着く』らしい。
今月末に期末試験を控えている私。課題のワークをやってるけど、アッハハハ！ 英語嫌いッ！
しかもまだ残り12ページもあるんだ… うう…
「…あの、A…」
「ん？ 何？」
「えっと… その… 人間界って、なにか面白いところとかあるんですか？」
「…え？」
「私、酒呑童子様に仕えていたときは、仕事ばかりしてたので、人間界にいても、人間界のことについてはあまり知らないのです…」
あー、なるほど。私が勉強してるから暇なのね。ごめんね、構ってあげられなくて…
「…案内してあげようか？」
「えっ」
心なしか、フクロウの表情が明るくなる。しまった、言うつもりは無かったんだけど。自然と口から出てきた。
「今から。どこか行きたいところ、ある？」
まあいいや。勉強の合間の気晴らしにはなるよね。
「あの… 私は…かふぇ、というのが気になります。 あ、でもこの姿では…」
カフェか… それはいいんだけど、確かにこんな姿のヒトがうろうろしてたら怪しいよね。
「ちょっと待ってて」
私はまず父の部屋に行き、ジーパンと白い大きめのシャツを引っ張り出した。
自分の部屋に戻り、クローゼットから前に母からもらった、大きさが合わない色が何故か男物の上着を取り出した。
「はい、人間に化けたらこれに着替えて！」
「え、わ、分かりました…」
別の部屋に行って貰い、五分後。部屋をノックして入ると、おお。なかなか良いじゃない。
上着の濃いめの色が、白いシャツの良さを引き立てている。サイズも、奇跡的にいい感じだ。
「すごい、似合ってるよフクロウ！」
「そうですか？ ありがとうございます… でも、あまりこういう服着たことないので緊張します…」
「平気よ、すぐ慣れるわ。じゃ、行こう！」
「はっ、はい！」
私は、フクロウの手を引いて外に出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます！忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました！本当に面白いです！！これからも更新頑張って下さい！！更新楽しみです！！（＾ν＾） (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます！フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします（＾◇＾） (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです！とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい！ (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます！なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
