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法典斧 ページ25

「俺が、俺が守らなきゃいけなかったのに…!どうしても助けたいんだ!」

アキノリの脳裏には、苦しむアヤメの姿があるのだろう。いつもとは打って変わって、すごく真剣な顔だ。

「お願いします!友達を、助けたいんです!」

「町にあるタワーも、女郎蜘蛛の糸で覆われてしまいました。」

「糸を斬るのに、ゲンブ法典斧が必要なんです!」

そう言うケースケくんに、トウマと天野ちゃん。私も何が言うべきだよね。

「…あなたの力、聞いたことがあるの。私じゃないけどね。」

玄武は、私を見るとわずかに眉をひそめた。妾が私の体にいることに気がついたのだろう。が、すぐに元の表情に戻ると、言った。

「お前は…まあよい。ワシの力を借りたければ、お前たちの力を見せてみろ!」

その言葉に、朱雀が言う。

「いいだろう、トウマ!」

トウマは朱雀を憑依し、戦い始めた。激しい戦いぶりに、四人は息を飲んでいた。押され気味の朱雀だが、きっと表情を鋭くすると、縦に二つに割れた剣を十字に構えた。

「蒼天十字衝!」

朱雀は奥義を切り出す。が、玄武は勇ましい声と共に、それを切り裂いた。

「…わがゲンブ法典斧に、斬れぬものなどない。」

「玄武よ、その無敵の斧で、女郎蜘蛛の糸に挑んではみないか? 不動明王のフドウ雷鳴剣でも、糸を斬ることはできなかったのだ。ゲンブ法典斧なら、斬れるかもしれん。」

「ほう… いいだろう、女郎蜘蛛の糸、このゲンブ法典斧で斬ってやろう。」

ゲンブ法典斧は小さな妖聖剣になり、トウマの手元に収まった。アキノリは、嬉しそうに言った。

「ゲンブ法典斧…、これでアヤメさんを救える!」

が、突然宝剣殿が揺れだした。驚いていると、ミッチーが出てきた。

「この揺れは、亀が動き出したものによるものだ。この宝剣殿は、巨大な亀の上に乗っているのだ!」

「え、そうなの!?」

驚く天野ちゃん。宝剣殿はどんどん上に上がっていき、湖を抜けた。

「参るぞ、人間界へ。」

玄武の声が聞こえた。天野ちゃんたちはゲンブ法典斧を手に入れて嬉しそうにしていたのを、私は少し離れてみていた。

四人にフクロウの事を説明しようと思い、近づこうと一歩前に出たら、何故か妾に止められた。

(Aの子よ、もうあの天野ナツメという娘に近づくでない。)

(「…え? 何で?」)

(何故だか分からん。だが、妾は、あやつからイヤな妖気を感じるのじゃ…)

(「…そう」)

そんなことを言われたら、近づけなくなってしまった。

元町タワー→←予感



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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます!忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました!本当に面白いです!!これからも更新頑張って下さい!!更新楽しみです!!(^ν^) (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます!フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします(^◇^) (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです!とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい! (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます!なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅ゆずりは | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年7月8日 19時

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