女郎蜘蛛 ページ22
二人の動きを封じている糸に、二人の妖気が見える。妖気を吸いとられている!
「酒呑ハルヤ! 洞潔! 糸を…」
「ククク、無駄だよ!」
二人は糸を切ろうともがくけど、全く切れる気配がない。やがて、妖気を吸われ続け、二人は倒れてしまった。
「酒呑くん…」
心配そうに呟く天野ちゃん。でも、こいつは…
「さあて… 次はお前だよ!!」
女郎蜘蛛は、私の方に糸を飛ばした。咄嗟に避けたけど、あれに捕まったらひとたまりもない。もし捕まってしまったら…と考えるだけでぞっとする。
天野ちゃんがジバニャンを呼んだけど、女郎蜘蛛の糸にあっさり弾かれてしまった。
今度はトウマが不動明王を呼び、憑依をしていたけど、おそらく今の女郎蜘蛛には叶わない。女郎蜘蛛の糸が、迫ってくる。
「ジバニャン、天野ちゃん達を!」
「言われなくてもな!」
ジバニャンは天野ちゃん、トウマ、ケースケくん(あ、いたの気がつかなかった…)を抱え、上から外に逃げた。更に、私は叫ぶ。
「いるんでしょ、ミツマタノヅチ! ヒメアヤとアキノリを逃がして!」
「お任せあれ! ミッチー・ジャーンプ!!!」
「なっ…!?」
どこからともなく突然現れたミッチーは、ヒメアヤとを抱えてタワーから逃げた。女郎蜘蛛が動揺している。洞潔とハルヤは…ちょっと助けられないかも。それに、私一人で十分なんだけどね。
「…アンタに殺されるのは。」
もうミッチーやジバニャン達は、天野ちゃん達を連れおばばの家に向かってる。大丈夫、今更死ぬのは怖くないから。覚悟してる−
「クックック… ならば、死ね!」
糸が目前に迫ったその時。不思議と、糸に縛られた痛みは感じなかった。それどころか、ふわりと体が浮いてるような… まさか!
目を開けると、私は外にいた。浮いたのではなくて、フクロウが私を抱え、飛んでいる!
「フクロウ!? 家に居ろって言ったじゃない、何でここに…?」
「あ… えっと… Aが心配で、こっそりついてきちゃいました。エヘヘ…」
なに笑ってんのよ。でも…
「助かったわ。ありがとう。」
私は、フクロウの頬をそっと撫でた。フクロウは、また「エヘヘ」と笑った。
フクロウの肩から、さくら元町タワーが、女郎蜘蛛の糸でぐるぐる巻きになっていくのが見えた。
その後、アキノリの家の庭で降ろしてもらい、小鳥になって私のポケットに入った。天野ちゃん達から話を聞くと、ヒメアヤは相当ヤバイらしい。
おばばが、ぽつりぽつりと話し始めた。
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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます!忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました!本当に面白いです!!これからも更新頑張って下さい!!更新楽しみです!!(^ν^) (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます!フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします(^◇^) (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです!とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい! (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます!なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
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