夜に ページ16
家に帰ると、珍しく夕飯が用意してあった。
「あれ？ 何で…」
「A、おかえり」
そこにいたのは父。 …今日は忙しいんじゃなかったのか。確か、夜に予約が入っているから帰れないとか…？
「父さん、仕事は？ お店大丈夫なの？」
「ああ、良い仕事するコックが来てくれたんだ。お陰で、早く帰ってこれた。父さんはもう食べたから、洗い物とかも宜しくな。おやすみ」
「あー、うん。おやすみなさい…」
父はあくびをしながら自分の部屋に戻っていった。父は人気の料理人だから、それなりに収入もあるし普通に暮らせる。
父のイビキが聞こえたのを確認してからフクロウとご飯を食べ、洗い物をしていたら玄関のインターホンが鳴った。
「…？ フクロウ、鳥になって隠れてて。なんか、嫌な予感がするの…」
フクロウはこくりと頷き、鳥になりどこかに隠れた。私は、返事をして玄関に向かう。ドアを開けると、綺麗な少年が立っていた。歳は…私と同じくらいかな？
「…あの、何の用でしょうか。というか、どなた？ 家を間違えてません？」
「何をおっしゃいますか。あなたは、私の正体にお気づきでしょう？」
「…は？」
その少年は、透き通るような水色の目を光らせた。
「私はいつでも、あなたのもの。気が向いたらで結構なので、いつか話を聞きにいらしてください。」
少年はそう言うと、帰っていった。
「…なにアイツ」
(Aの子… あやつは、人間ではない。妖怪が、化けておった。)
「…わらわ、一瞬私からでてったよね。あの人が、目を光らせた時。どうしたの？」
(嫌な気配を感じたのじゃ… あの時、
「…そうだ、フクロウ！ もうでてきて平気よ。何処？」
フクロウは、洗面所からそっと顔を出した。ヒト型になっている。
「あれは… あの方は…」
「？」
「…何でもないです」
「そう…」
私は疑問を抱きながらも、風呂に入りベッドに思いきり寝転がる。そのあとはすぐに、眠ったようだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます！忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました！本当に面白いです！！これからも更新頑張って下さい！！更新楽しみです！！（＾ν＾） (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます！フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします（＾◇＾） (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです！とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい！ (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます！なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
