幻 〜シャドウサイドストーリー〜【妖怪ウォッチ シャドウサイド】

新しい… ページ12

夕飯を食べた後、さっさと風呂に入っておいた。自分の部屋に上がり、フクロウに言う。

「お父さん帰ってくる前にお風呂入っちゃってくれる？」

だが、返事がない。それと、フクロウの様子がおかしい。

「うう…」

「フクロウ？」

フクロウは、泣いていた。仮面の奥から流れる涙。泣く彼の姿は儚さと美しさを感じさせるものだった。

「酒呑童子様… 私は、無能では…」

…まだ酒呑童子の事で苦しんでいるようだ。私はなだめるのがあまり得意ではないので、わらわに任せた。

「…フクロウの子よ、未だにそれを引きずっておるのか…」

「う…」

「酒呑童子の子はのぅ、まだお主の中では仲間なのかの？妾らの中では酒呑童子は敵なのじゃ。証拠として、Aの子は天野ナツメらの仲間じゃろうが。」

「…」

「…安心せよフクロウの子。 妾らは決して、お主を裏切ったりせぬ故… 大事ないぞ」

「…」

すると、お父さんが帰ってきてしまった…

「A、ただいまー」

「あ… お帰りー。 ご飯とお風呂、用意してあるから！」

「ありがとうー」

…フクロウ、風呂入れてないじゃないの…

「仕方ないわね、銭湯行く？」

「…すみません」

「いいの、気にしないで」

私たちは深夜になってから銭湯に向かい、フクロウは入浴を済ませた。銭湯は24時間営業なんだね、楽な時代だよなぁといつも思う。

寝るとき、フクロウには鳥の姿になってもらった。私の机に小さな布団を敷き、そこで寝てもらった。

「おやすみ」

「おやすみなさい…」

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次の日、学校が終わってからアキノリの部屋に向かった。フクロウをポケットにしまって。

「よー」

ドアを開けると、天野ちゃんの隣に知らない少女が…ツインテールで、目がぱっちりしたかわいらしい女の子…なんだけど。何だろう、この感じ…

「おー、A！ 紹介するぜ！ナツメ達のところに転入してきた、姫乃アヤメさんだ！」

姫…乃…アヤメ…？

「…私は渡月A。以降お見知り置きを〜」

「えー、何それ面白いね！ 私は姫乃アヤメ、よろしくね、Aちゃん！」

握手のつもりか手を伸べてきたけど気づかないふりをする。(Aの子、絶対にあの娘に自ら触れるな！ あの娘は怪しい…)分かってるわ。

三人の中に馴染む姫乃アヤメを見て、違和感を感じた。

でも、アキノリが話しかけてきたので考えるのをやめた。

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