54 ページ4
｢俺ら先行くわ｣
のんちゃんが神ちゃんにそう声をかけると、
何かを察知したような表情をして
お、今日はありがとうな〜と言った。
｢終電ないやろ、俺ん･･･｣
流星くんが話しているのを遮って
ふみちゃんがじゃあね〜と言う。
流星くんは何を言おうとしていたんだろう？
少し気になりながら、
3人に手を振って外に出た。
繁華街とは言え、夜も深まると
人がまばらになってくる。
煌々と照らされた街に、
のんちゃんと私以外誰もいない。
それだけで楽しい気持ちになる。
｢本当に出てきちゃってよかったの？
のんちゃんもっとダーツやりたかったんじゃない？｣
｢うーん、だってA下手やもん｣
｢ひどい｣
にかっと笑うのんちゃんも
私と同じようにこの雰囲気を楽しんでいるように見えた。
｢漫喫行ったら寝ちゃいそうだなー｣
｢夏休みすごい生活しとるらしいやん。
それでもまだ寝るん？｣
｢誰に聞いたの？ふみちゃんでしょ｣
｢いや、皆言うとる｣
｢それはなんか恥ずかしいな｣
｢もっと昼から予定いれて、外出たらええやん｣
｢暑いもん｣
｢しょうもな！｣
9月のくせに暑すぎるのが悪い。
｢だって予定ないもーん｣
｢じゃあ、花火行こうや｣
｢もうほとんど終わったんじゃないの？｣
｢いや、まだギリ1個ある！｣
｢じゃあ行きたい。夏の思い出がなさすぎる｣
｢浴衣着ていこうや｣
｢えー、暑いよー｣
夏の思い出作るんやろ！とのんちゃんに
説得されて浴衣で花火を見に行く約束をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひろか | 作成日時：2019年11月12日 18時
