キャンパスライフ (ページ4)

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初めてのゼミは年間の説明と
簡単な自己紹介で終わった。

正直、中間先生の話もみんなの自己紹介も
ほとんど覚えていない。

彼から目が離せなかった。

｢重岡大毅です！よろしくお願いしますっ｣

そう言ってにこっと笑った彼を思い出す。
きれいな黒髪とえくぼが印象的なかわいい笑顔。
名前を知ることができた。
それだけで充たされてしまう。

｢ねぇ、A｣

ふみちゃんに呼ばれて現実に引き戻される。

そうだ、授業が終わってふみちゃんと
カフェに入ったんだった。

｢何ぼーっとしてるの？私の話聞いてる？｣

｢ごめんごめん、なんだったっけ？｣

｢もう！神山くんだよ！神山くん！｣

あー、あのふみちゃんのタイプの人か。

｢彼女いるのかなー？？｣

｢どうだろう、あの人たちみんなイケメンだからね｣

｢ほんとにね～。Aはいい人いた～？
かっこいいとは思うけど好きとかわかんないとかいういつもの感じ～？｣

｢それなんだけどさ、私重岡くんいいなって思った。なんかずっと目で追ってしまうというか｣

｢え！それもう好きじゃん！一目惚れじゃん！｣

｢やっぱりこれって好きなのかな？｣

｢そうでしょ！よかったね～
2人でチャンス見つけよ！頑張ろ！｣

そうか、私重岡くんのこと
好きになったんだ。

こんなに簡単に、あっという間に、
恋に落ちてしまうなんて。

なんだか拍子抜けしてしまうけれど、
心がぽかぽかするような、くすぐったいような

こんな気持ちはとても久しぶりで心地よい。