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はっと意識が戻って、辺りを見回す。
ここはどこだっけ?
ソファに横たわって、毛布がかけられている。
仕事!と思い焦って職場に電話をかける。
職場から何件も着信履歴が残っていて
申し訳ない気持ちになった。
部長が電話に出た。
怒られるよりも心配してくれていたみたいだ。
中小企業のいいところだなと思う。
それでも遅刻は遅刻。
ひたすら謝って電話を切ると、
横にスーツを着た男の人がいた。
「あ、気づきました?」
「え、あの」
「大丈夫ですか?貧血やんな?」
「えっと、あの、すみません」
「いやいや、心配やったんで。
もう大丈夫ですか?」
「はい、あの、お仕事・・・
大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫です。
朝そのまま営業先行くって会社には言ってあるんで」
「え、でも」
「先方にも連絡してあるんで、ほんま気にしないで下さい」
「すみません。
あの、ありがとうございます。
あなたが助けてくださらなかったら
本当にどうなっていたことやらって感じで」
「そんな大層なことしてないですよ。
顔色少し戻ってきたみたいでよかった」
「本当にありがとうございました。
ご迷惑おかけしてしまって。私はもう大丈夫ですので、お仕事に行ってください。本当にすみませんでした」
「気になさらないで下さい。
ほんまに大丈夫ですか?」
「はい」
「じゃあ。お水置いてあるので飲んでください」
「ありがとうございました」
何もかも申し訳なくて、
これ以上時間を取らせてはいけないと思ったら
助けてもらったのに名前を聞きそびれてしまった。
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作者名:ひろか | 作成日時:2019年11月30日 19時