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「結局、坂本さんもあいつの味方すんだね」
不貞腐れた態度でまだそんなことを言っている。
「当たり前じゃん。三上くんみたいな汚いやり方大毅は絶対にしないからだよ!!」
静まり返った廊下に私の声が響いた。
三上くんが傷ついた表情をするから余計に苛立ちが込み上げてくる。
「これ以上、大毅のこといじめるようだったら
部活の顧問に言うよ」
25歳にもなって、こんな脅ししか
解決方法が思いつかないなんて情けない。
サッカー部の1年エースだし、言ったところで
お咎めなしかもしれない。
でも、三上くんがサッカーを本気で
やっていたのは知っている。
大毅もそれをわかっていたから
何も言わず、我慢していたんだと思う。
・・・ばか。どこまで優しいんだよ。
胸がきゅうっと締め付けられて苦しかった。
お願いだからもう大毅のことを傷つけないで。
「それは・・・困る」
俯いたまま、蚊の鳴くような声で三上くんが答えた。
「じゃあもうやめて」
「わかった・・・。坂本さん、ごめん」
私に謝ってどうするの。
私だって同じだ。
昔の私がしたことは、三上くんと変わらない。
自分勝手に大毅を傷つけた。
助けたいなんて、どの口が言えるのだろう。
ずっと大毅に助けられていたのに
それすら気づけないで。
ばかなのは私の方だ。
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作者名:ひろか | 作成日時:2019年11月30日 19時