旅立ちの日 ページ38
クリスマス休暇が終わり、学校が始まる日の朝がとうとうやってきた。
私はトランクに荷物を詰め込んでバチンっと蓋を閉め、久々のホグワーツの制服にローブ、マントを羽織ってマフラーを巻いた。
今日からまた学校ね…。そしてまた少しづつ家のことを考えなくちゃならない…。
鏡に映る自分の顔はどこか強ばっていて私はぺちぺちと頬を軽く叩いた。
「よし…！」
気合を入れてトランクを持ち、数日間だったがお世話になったこの部屋に名残惜しさを感じながら扉を開けるとそこには私と同じように制服にローブとマント、マフラーを身につけたスコーピウスがトランクを持って待っていた。
「おはようA、いい朝だ」
「おはようスコーピウス。さあもう行かなくちゃ」
1階リビングにおりて私は今一度Mrマルフォイに感謝の気持ちを伝え、庭に出る。
「おはようヒュペリオン_______よろしく頼むわよ」
ヒュペリオンはブルブルと鼻を鳴らしていつでもオーケーのようだ。
「ヒュペリオン、僕も乗るからよろしくね」
トントンっとヒュペリオンの体を撫でたスコーピウスはトランクをしっかりとヒュペリオンの体に装着させる。
「よし」
私は屈むようにヒュペリオンに指示を出してぴょいっと跨る。
「スコーピウス、手を」
スコーピウスに手を差し出すと、彼は頷いて私の手を取り、私は彼を思いっきり引っ張ってヒュペリオンに乗せる。
「うひゃー！やっぱり大きいなあ！テンションが上がっちゃうよ」
「しっかり捕まっててね。なんてったって上空は風が強いから」
そう言うとスコーピウスは「オーケー、承りました」と私のお腹に手を回してピットりと引っ付く。
「…スコーピウス」
「ん？なあに？」
「ありがとう、一緒に来てくれて」
「当たり前じゃないか。僕は君のそばにいることをいつも望んでいるからね」
陽だまりのような暖かな笑顔を向けるスコーピウスに私も笑顔を返してトンっとヒュペリオンの体を足の側面で軽く蹴って合図する。
バサッと大きな羽を広げたヒュペリオンは飛び立ち、私とスコーピウスは小さくなっていくマルフォイ邸を見つめる。
「しばらくのさよならね」
雪の残る屋根は真っ白で、まるで天使の羽のようだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななや(プロフ) - ゆいさん» 返信遅くなり申し訳ありません！ありがとうございます！少し忙しい日々が続いてしまい更新を止めてしまいましたがまた少しづつ頑張ります！コメントありがとうございました♩ (12月15日 10時) (
レス) @page23 id: 1c4dcb9b3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 更新楽しみにして (2023年7月25日 21時) (レス) id: 18e5113618 (このIDを非表示/違反報告)
ななや(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しい限りでございます(*´艸`) (2023年6月9日 6時) (レス) id: 1c4dcb9b3d (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - ちょちょちょっと！扉絵良すぎません！？ (2023年6月8日 23時) (レス) @page7 id: 7872d75835 (このIDを非表示/違反報告)
ななや(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます(^^♪日課にして下さりありがとうございます！頑張りますね！ (2023年6月6日 6時) (レス) id: 1c4dcb9b3d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななや | 作成日時：2023年6月4日 20時
