主義 ページ18
カーテンの隙間から入ってくる日差しが眩しくて目が覚めた。
「…」
そっか、昨日私スコーピウスの家に来たんだ。
外からは小鳥の囀りが聞こえてくる。
まぶし…。
私はスコーピウスに包み込まれるように眠っていて、彼はまだ起きていないようだ。
彼の寝顔を見るとさらさらな髪は流れていて密度の高い色素の薄いまつ毛がとても綺麗だった。
ツンっともち肌の彼の頬をちょっとつついてみる。
「む…」
む、だって。おもしろい。
もう一度ツンしたくなったが起こすのも悪いので私は彼を抱きしめて再び目を閉じた。
トクントクンと心臓の音が聞こえてくる。
いつの日か本で見たさそり座を思い出した。
赤い星_______サソリの心臓アンタレスだ。
スコーピウス本人はさそり座じゃないけど、なんだか本当に彼の心臓にぴったりな気がする。
スコーピウスの心音が心地よくてしばらく耳を済ませてみた。
「…ん…A…起きてる…？」
「うん、起きてるよ」
しばらくすると眠たそうな彼の声が聞こえてくる。
「おはよう…」
「おはよ、よく寝てたね」
「うん…なんかほっぺたぷにぷにされる夢見た…」
思わず私はクスッと笑ってしまった。
現実の行動が彼の夢に影響していたようだ。
「そっか」
「なんか君笑ってるな？」
「別に笑ってないよ、ただちょっとあなたが可愛かっただけ」
君の方が可愛いよ、とスコーピウスは呟いて抱き枕の如く私をギュッと抱きしめた。
首元にスコーピウスのブロンドが流れてきて少しくすぐったい。
｢寝るの？｣
｢んー……だって離れたくないから。…やっと僕の大切な人になってくれたんだもん｣
朝から体温が上がるような台詞を言われて目が覚める。
｢もう自分を縛り付けるのは辞めたから。スコーピウスの大切な人になりたかった｣
スコーピウスは私を見つめてふにゃっと微笑む。
その笑顔はまだどこか幼くて小さな少年の面影が見える。
｢離れるなんて考えないでね、僕は一度手に入れたら離さない主義なんだ｣
｢存じ上げてるわよ。あなたの片付かない部屋が物語ってる｣
｢君は僕の部屋のもので言うなら棚の一番上に飾ってあるホコリ一つないトロフィーか、ニュート・スキャマンダーのサイン入りの本だよ｣
スコーピウスは絶対に離さない、と言うように強く、でも壊れやすいものを扱うように優しく私を抱きしめ直した。
私も彼の背中に腕を回す。
｢それは光栄だわ｣
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ななや(プロフ) - ゆいさん» 返信遅くなり申し訳ありません！ありがとうございます！少し忙しい日々が続いてしまい更新を止めてしまいましたがまた少しづつ頑張ります！コメントありがとうございました♩ (12月15日 10時) (
レス) @page23 id: 1c4dcb9b3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 更新楽しみにして (2023年7月25日 21時) (レス) id: 18e5113618 (このIDを非表示/違反報告)
ななや(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しい限りでございます(*´艸`) (2023年6月9日 6時) (レス) id: 1c4dcb9b3d (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - ちょちょちょっと！扉絵良すぎません！？ (2023年6月8日 23時) (レス) @page7 id: 7872d75835 (このIDを非表示/違反報告)
ななや(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます(^^♪日課にして下さりありがとうございます！頑張りますね！ (2023年6月6日 6時) (レス) id: 1c4dcb9b3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななや | 作成日時：2023年6月4日 20時
