ホントはね(2) ページ26
二人の怒号は静まった夜の空に響き渡り
お互いが睨みをきかせた。
『あなたにだけは馬鹿って言われたくないわよ！！馬鹿男！！』
「お前こそさっきからコソコソしてんじゃねェよ！馬鹿女！！」
『あえて気配消さずにいたんだからコソコソしてない！大体いつも俺はいいけど、お前は駄目みたいな姿勢が腹立つのよ！』
「俺にだって言えねェ過去の一つや二つあらァ！お前だって何なんだよ！何でも一人でやろうとしやがってよォ！」
言い合いはしばらく続き
終いには酒は適量までにしろだの、
おはぎはこしあんかつぶあんか
ハッキリしろなどと
くだらない怒鳴り合いにまで達した。
「つぶあんでもこしあんでもどっちも美味ェんだよ！！」
『お酒を私から取り上げたら二度とおはぎ作りませんから！！』
「それは反則だろォが！！」
『そっちこそ反則でしょ！！』
いい加減お互い疲れてしまい
やっと怒号が鳴り止んだ。
『…今回私は折れませんからね。』
「上等だァ…勝手にしろォ」
『あっそうですか！じゃあ本当に荷物まとめて実家に帰りますから！』
「好きにしやがれ！そこまで言うなら止めねェよ！」
むぎぎぎぎぎぎいいいぃぃぃぃ！！！！
腹立つ！！もう本当に帰ってやる！！
大した荷物は無いけどさっさと持ち出して
実家に帰ってやる！！
玄関の戸を乱暴に開け閉めし、
自室にある私物を手際よくまとめていると
玄関の扉が開く音がしたが関係ない。
大方早く出て行けなどと文句を言うか
自室に入るかのどっちかであろう。
どっちにしろ無視してやる！！
「………悪かった」
ほーらね！！わざわざこの男は文句を…
『…………』
「俺が悪かった。だからどこにも行くんじゃねェ…」
後ろから抱きしめられて
私物をまとめていた手が止まった。
「行くな…」
初めて聞く、か細い声に驚いた。
顔を埋められている肩が
ほんのり濡れているのを感じる。
泣いてる…？
「悪かった…ごめん…頼む…」
『……はい…』
「絶対行くな…頼むから…」
『…どうしたんですか？そんなに…らしくもない』
振り返って実弥さんの顔を見ると
今までの彼からは想像もつかない
怯える様な顔で涙を零していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
AYA - しのぶさん一回も出てないww (2021年10月10日 16時) (
レス) @page49 id: d9c298088e (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - ちびごん様≫コメントありがとうございます！ニヤけてもらえて嬉しいです！今後ともお付き合いくださると感激です！ (2020年5月29日 0時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
ちびごん(プロフ) - 初コメさせてもらいます！毎回うわぁぁ！と思ったらニヤけまりして読んでます！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: de3300122a (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - 灰色サーモン様≫嬉しいご感想ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月19日 4時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - あおい�桐輸笋△蠅�とうございます！頑張らせていただきます！ (2020年5月19日 4時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おぎ丸 | 作成日時：2020年5月18日 7時
