はじまりの村【２】 ページ5
研究生(エーリッヒ)「おはよう、今日も清々しい朝とはいかないようだね。…へえ、ゲルダが僕に黒出しか。残念ながら、僕からのCOはないよ。」
青年「…村人を主張するんだね、エーリッヒくん。哀れにも初日黒を打たれて吊られてしまう気持ちを教えてほしいねぇ。」
修道士「……エーリッヒが村人だと決まったわけではない。今日の処刑はエーリッヒでいいだろう。」
大工「研究生…残念だ。」
薬師「ゲルダ、お前に問おう。どうして、エーリッヒを見た。」
刺繡工「占った理由は、表情が読みにくいからよ。何を考えているか、パッと見じゃあわからないわ。」
召使い「見かけじゃあ判断がつきにくそうな人だらけの村じゃない。理由になっていないと思うわ。」
娼妓「確かに、そうね。例えば…あの仏頂面の剣士さんとかね。」
刺繡工「古典的な揚げ足取りね。もちろんそんなことはわかっているわ。だけれどね、女の勘でなんとなく女はわかるのよ。問題は男で、顔に出ない彼みたいな人なのよ。」
音楽家「水掛け論だ。今日エーリッヒを処刑するほかないな。」
少女「ゲルダさんが本物かどうかわからないんでしょう？…村人かもしれない、エーリッヒさんを処刑してしまっていいのかな…？」
少年「そうだよ！ベアトリーチェちゃんの言う通りだよ！村人かもしれないエーリッヒさんを、そんなに簡単に今日処刑しちゃうなんて、皆おかしいよ！」
大工「子供は黙ってな。こういう時は心を鬼にしなきゃなんねえ。俺たちは、多少の犠牲を伴ってでも人狼や妖狐を追い詰めないといけねえんだよ。」
歌姫「あら、イヴァン。あなたはエーリッヒが人狼でないとわかっているのかしら？エーリッヒが村人と決まったわけではないでしょう？」
シスター「…やめてさしあげてください。イヴァンの言うことはごもっともですわ。」
洗濯女「私は、エーリッヒが人狼でゲルダが本物の占い師である可能性は、そこそこ高いと思っているわ。エーリッヒは、朝遅かったわよね。どう動くか悩んでいる人狼に見えるわ。」
召使い「…そうかしら。人狼ならただ猫又炙りでもすればいいと思うけれど。」
娼妓「村人で黒を打たれて何を考える必要があるのかしら。そもそも間が空いたこと自体が人狼らしいと思うけどね。」
少女「……ただ寝坊しただけかもしれないのに。」
研究生「ベアトリーチェちゃん、庇ってくれてありがとう。でも、仕方のないことなんだよ。」
娼妓「…１つ提案があるのだけれど、いいかしら。」
続く
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作者名：紅愛 | 作成日時：2021年4月9日 1時
